【ゲーミフィケーション事例】歩行距離ランキングで社員の健康意識向上を

岡村健右(おかむらけんすけ) | 2013/10/23

 

 10/30(水)に開催される社内ゲーミフィケーショントークイベントに合わせて、登壇者のゆめみ深田さんに当日、お話ししていただく内容に関連した内容を寄稿していただきました。 深田さんは日本のゲーミフィケーションの第一人者であり、ゲーミフィケーションの著書をいくつも出されています。ゆめみ社が社内でどのようなゲーミフィケーションの取組みを行っているかを紹介していただきます。

 


 

主にマーケティング用途でのゲーミフィケーション提供を事業として取り組んでいるゆめみにおいて、社内でどのようなゲーミフィケーション取組を実践しているかを紹介します。

 

事例①:社員同士で褒め合う仕組み「ほめみ」

 

 ほめみは、シンクスマイル社が提供しているASP「CIMOS」を取り入れた社内コミュニケーションの活性化のための仕組みです。社内ではまずおもてなしプラットフォーム事業部という、ゲーミフィケーション事業を主に提供する部署のメンバーを中心に約20名強で導入しています。各バッジが事業行動指針を象徴しており、参加メンバーがそれに当たる行動をとった時にお互いにバッジを付与し合います。その際にコメントを付加することもできるので、お礼や具体的に何が良かったのかを同時に伝えることも出来ます。単なるバッジ画像ではありますがもらえると結構うれしいもので、お礼の言葉を言われているのと同じような気分になります。

 

 導入して約4ヶ月になりある程度利用が浸透してきたという状態ですが、ここまでに至る経緯を振り返ってみます。まず導入後約1ヶ月はみんな物珍しさもあり、結構活発にバッジのやりとりが行われていました。ただ、この時には「タイムライン」の機能を導入していなかったこともあって誰が誰にいつ送ったかということはわざわざ各メンバーのマイページを見に行かないとわからない状態でした。ですのでかなり一人プレイ的な要素が強く、普段からほめみのページを見に行くという習慣がつきにくい状態でした。1ヶ月経過後、徐々に最初の珍しさが薄れたこと、忙しい時期や長期出張なども重なり全体的な使用頻度が減ってきました。

 

 盛り返し施策をこのタイミングで考えました。まず重要視したのは「バッジを送る行動」を取る人にいかに頑張ってもらうかという点でした。もらって嬉しいのはいいのですが、それが必ずしも直接的に「じゃあ他のメンバーにもバッジを上げよう」というようにはなかなか働きませんでした。そこで、バッジをたくさん送ったメンバーに特別な「MVPバッジ」を付与するようにし、期間を区切ってバッジ付与数を競う仕組みを入れた所再度の活性が生まれました。また同時にタイムラインの機能を導入し、誰が誰にどんなコメント付きでバッジを送ったのかを簡単に共有できるようにもしました。

 

こうした工夫によりその後はある程度安定的にバッジ付与がお互いに行われている状態が継続しています。また今後も停滞する時期が出てくるとは思いますので、適宜こうした活性化のための施策を取り入れていくことは大切だなと思いました。ちなみにゆめみでは、金銭的なインセンティブは一切使っていません。バッジを付与する動機が濁るだろうというのが主な理由です。活性化の有無には直接的にはあまり関係しないように感じています。 

 

事例②:一目で分かる歩行距離ランキング「Walk88」

 Walk88は、もう1つの社内ゲーミフィケーションの取組です。こちらは「Fitbit」というデジタル万歩計を使い、社内のメンバーの健康意識を高めようという目的で導入しています。Fitbitで計測した歩数データはクラウド上で管理されており、公開されているAPIを通じてデータを取得することが出来ます。ゆめみでは参加希望者にFitbitを会社負担で支給、Walk88に参加できるようにしています。13年9月から本格的に開始したのですがすぐにほぼ全社員が参加する非常に活発な取組となりました。

 

 歩数を単にカウントして競争するだけでもいいのですが、ちょっとした遊び心を加えてバーチャルにお遍路を歩いているようにしています。Walk88の「88」はお遍路88箇所の88を取りました。歩いた距離を元に、グーグルマップ上に今の自分の位置をプロット、どのくらい歩いたかが視覚的にわかるようになっています。

 

   

 また、累計歩行距離でのランキングも同時に表示しています。地図上では他のメンバーもプロットされているため、ランキングが近いと徐々に距離が開いたり、縮まったりということが地図上で表現されます。これは競争心を結構煽られます。また誰がどのくらい歩いているのかが見えるので意外なメンバーがかなり歩いていることがわかったり、ここ最近のがんばりが可視化されたり、と歩行(運動)パターンが見えて来ますので、コンテンツとしてもなかなかおもしろいです。

 ただ導入後1ヶ月で既に上位者と下位者の差がかなり開いてしまったため、ランキングによるモチベーションの維持が難しくなってきたことを踏まえ、10月は「団体戦」の概念を導入しました。9月の歩数実績を元にチームを編成、チームメンバーの平均距離で競争するという取組です。これは全体の活動活性化にはかなり効果が出ています。

 

 

 いずれの取組も、やってみて思うのが「運用」の大切さです。状況を見ながらチューニングしたり、新しい要素を取り入れたり、短期的なイベントを発生させたりといったことで盛り上がりを維持できるかどうかというのはかなり変わってきます。特に社内ゲーミフィケーションの場合は、メンバーの声は拾いやすいですからうまく運用に反映させることが大切だと改めて感じました。

 

株式会社ゆめみ 代表取締役 深田浩嗣

ゲーミフィケーション」の日本での第一人者。著書に『ゲームにすればうまくいく―<ゲーミフィケーション>9つのフレームワーク』、『ソーシャルゲームはなぜハマるのか ゲーミフィケーションが変える顧客満足』

社内ゲーミフィケーション トークイベント

2013/10/30 (水) 16:30〜

http://peatix.com/event/20754

会場:アマゾンデータサービスジャパン会議室(目黒駅徒歩5分)

参加費:無料

登壇者:ゆめみ 代表取締役 深田浩嗣

    シンクスマイル 五十嵐政貴

    ループス・コミュニケーションズ 岡村健右

  


COMMENT

2 件のフィードバック

  1. mpresso より:

    ゆめみが社内で使っているゲーミフィケーション事例

  2. delico69 より:

    ゆめみの社内ゲーミフィケーションを取り上げていただきました!

AUTHOR PROFILE

  • 著者:岡村健右(おかむらけんすけ)

ソーシャルメディアコンサルタント

グループウェア「LotusNotes」のシステムエンジニア(データベース開発/システム運用)を経て、米国製CRM/CMSパッケージの国内販売立ち上げ事業にてマーケティング、セールスエンジニアを経験後、ループス・コミュニケーションズにて社内SNS、コミュニティ立ち上げ事業の営業、コンサルティングに従事。

専門分野は社内ソーシャルネットワーク(社内SNS)、ゲーミフィケーション。

著書「ゲームの力が会社を変える -ゲーミフィケーションを仕事に活かす-(日本実業出版社)」

共著「ソーシャルメディアダイナミクス(毎日コミュニケーションズ)」「ゲーム産業白書Decade(メディアクリエイト)」

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