2014年のトレンドとして、TwitterやFacebookにおける画像や動画の投稿、またはVineやInstagramなど動画に特化したソーシャルメディアの流行が挙げられます。
3回目の今回は、特にその中でも電通と提携など動きを見せた「Pinterest」と、サードパーティサービスの充実が目立つ「Instagram」関連の注目ニュースをお届けします。
(ニュース収集期間は2014年5月5日から6月1日)
ピンタレストがツイッターを上回る、Webサイトにもたらすトラフィック (2014/5/9)
- 米国のWebサイトにおけるソーシャルメディアからのトラフィックは、Facebookに次いでPinterestが2番目に多く、ここ4ヶ月の伸び率ではPinterestが48.36%で最も高かった。
- 各雑誌サイトへの流入トラフィックでは、いずれもTwitterからよりPinterestからの訪問数が上回った。ある女性誌サイトでは全体の5〜10%がPinterestの参照トラフィックだった。
- いくつかの雑誌サイトでは掲載画像の多くにPinボタンが設置されており、Pinterestへの投稿やリピンによる拡散からユーザーをサイトへ誘導している。
Pinterest、「Promoted Pin」試験で一部ブランドと協力へ (2014/5/14)
- 宣伝付きピンである「Promoted Pin」を検索およびカテゴリフィードに表示させるテストを実施。
- 一部のブランドと協力してのテストで、米国のみで実施される。
グーグルとの戦いに備え、ピンタレストが2億ドルの増資に踏み切った (2014/5/16)
- 今回2.25億ドルを調達し、これまでの調達合計金額は7.64億ドルになった(企業価値は50億ドルに)。
- 「Guided Search(ガイド付き検索)」を公開。ユーザーがポード上にピン留めした画像の文脈を理解した上で、ユーザーの求める情報を予測し、検索を補完する機能。
- 「ピンタレストの目的は、ユーザーがそれまで知りもしなかった新しい発見を提供すること」とCEOベン・シルバーマンが言うように、キーワードに対する正確な情報を提示するグーグルと差別化を図っている。
(提供:Pinterest)
Instagram(インスタグラム)からの購入を可能にするアプリ『LiketoKnow(ライクトゥノウ)』の人気が上昇中 (2014/5/6)
- Instagramの投稿に対して「いいね!」を押した閲覧ユーザーに、その投稿に関する情報をeメールで送ることができる。
- 大手ブランドやスタイリストなどが導入しているが、閲覧するユーザーもLiketoKnowに登録していなければならない。
Instagramの「タグ」を利用したフリマサービスを米国で展開する10sec、藤田ファンドから1.6億円を調達 (2014/5/8)
- 「10sec」はInstagramを利用してCtoCコマースを実現するプラットフォームサービスで、「#10sec」というハッシュタグを付与してInstagramに投稿した写真を10sec上に出品して販売できる。
- 投稿時に「◯◯$」とコメント入力すればそのまま販売価格として表示される。
- 以前から「#forsale」「#buy」などハッシュタグをつけフリマアプリのようにInstagramを利用するユーザーはいたものの、実際に売買をサポートするサービスはこれまでなかった。
FacebookとInstagramのコメント欄でショッピングができるサービス、Soldsieが400万ドル調達 (2014/5/16)
- SoldsieのFacebookページに商品の写真と説明を投稿し、ファンが投稿に対して「SOLD」とコメントをすると商品購入のプロセスがスタートするサービス。
- 同様のシステムをInstagramに導入し、現在各マーチャント合計2500万ドルの売上を記録している。
- SOLDとコメントしたユーザーの70%が実際に購入し、支払いを行っている。
仏AFP通信社がインスタグラムアカウントをローンチ (2014/5/20)
- 公式アカウントを開設することで、ソーシャルメディア上でのプレゼンスをこれまで以上に高める意図がある。
- AFPは全世界にいる500人のフォトグラファーが1日3000枚以上の写真を配信し、AFPフォーラムでは2300万枚以上の写真を保管しているなど元々写真報道に力を入れてきた。
アディダスがInstagramの写真をプリントしたオリジナルスニーカーを作れるサービス「miadidas」を開始へ (2014/5/27)
- Instagram上のお気に入りの写真をアディダスの最新スニーカーにプリントしてオリジナルスニーカーを作成できるサービスが8月から開始へ。
ピックアップ・ポイント
Pinterestはコンテンツをコレクションし共有する場所から、“新たな発見”を提供する場へのシフトを図っています。その鍵を握る「Promoted Pin」は、検索時に表示される広告Pinですが、ユーザーがPinした画像の文脈を理解した上で、ユーザーの求める情報を予測、その検索を補完することができます。この点でGoogleとは異なる体験を提供しようする意図は興味深いです。
一方Instagramでは、投稿画像に対するアクションを起点としたeコマースへの連動が、いくつかのサービスによって提供されています。「LiketoKnow」では、商品画像の投稿にいいねしたユーザーへeMailが送付され、「Soldsie」では同様に“SOLD”とコメントしたユーザーに対して購入プロセスをスタートさせます。こちらは企業にとってのブランディングの場から、eコマースへの色合いを強めていると言えそうです。
コンサルタント紹介:矢野 悠貴(やの ゆうき)
エイベックスにてマーケティング、アーティストマネージャーを担当。現在は企業向けのソーシャルメディア活用支援を行う他、アーティストとソーシャルメディアの活用に関する記事執筆、講演等も実施。中目黒住民。昨年ホノルルマラソンを完走し次の目標はホノルルトライアスロン。
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シンプルにするものが流行ってるイメージですね。
5分でわかるソーシャルメディア最新トレンド ― 画像・動画系メディア編 #inthelooop @LooopsComさんから
Pinterestはコンテンツの共有場所から新たな発見場所へと転換を、InstagramはEコマースの場へと