2014年最新スマートフォン市場動向 〜 世界出荷ベースでスマホは13億台、PCの3倍を超える

斉藤徹 | 2014/01/17

2014年最新スマートフォン市場動向 〜 世界出荷ベースでスマホは13億台、PCの3倍を超える

Business Insiderから、最新のスマートフォン・マーケット市場予測が発表された。同社は、2014年のスマートフォン出荷台数が前年比で35%増加し、13億台を超えるだろうと推定している。また、先進国の伸びは減衰傾向となり、中国とインドのような新興国が市場を牽引するとした。また5年スパンでみると、2013年から2018年までの年平均成長率は20%と予想している。以下に主旨を要約したい。

 

スマートフォンとタブレット、PCの出荷台数を比較すると、その伸び率の差が顕著に見てとれる。すでにスマートフォンはPCの3倍となっており、その差はこれからさらに開いてゆく。また2015年内にはタブレットも出荷台数ベースでPCを逆転する。ビジネスのモバイルシフトがいかに緊急課題となっているかが一目で理解できるだろう。

 

この図はスマートフォンと多機能電話の出荷台数の比率をあらわしたものだ。2014年末までに、携帯電話におけるスマートフォンの割合は69%となり、多機能電話の市場は減衰していく。参考まで、スマートフォンが多機能電話を超えたのは2013年2Qだが、それ以降、多機能電話は年間20%の割合で出荷が減少すると予想されている。  

 

先進国のスマートフォン市場は成熟に向かっている。そのため2014年のスマートフォン市場を牽引するのは中国となり、同年における出荷台数の35%は中国向けになると推定されている。ただし中国の消費も急速に成熟すると予想されており、インドやインドネシアなどの新興国がその後の市場牽引役となるだろう。

 

 

スマートフォン本体の価格は、出荷対象が新興国にシフトするにつれて急速に低下し、2014年の平均単価は25000円(1ドル100円と想定、以下同)となると予想されている。また下図はOS別の平均単価の推移を比較したものだ。

 

スマートフォン市場が成熟するに従って製品のコモディティ化が進み、価格競争が激化してゆく。新しい機能が付加されるようも既存能力の改善に技術の力点がシフトし、Windows-PCのように規格化された低価格製品が主流になるだろう。成熟化に従い、中国やインドの国内メーカーであるLenovo, Xiaomi, Micromaxのようなメーカーが勢いが増してくると考えられている。 

 

 

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1 件のフィードバック

  1. sandrab94 より:

    2014年最新スマートフォン市場動向 〜 世界出荷ベースでスマホは13億台、PCの3倍を超える [in the looop] #inthelooop @LooopsComさんから

AUTHOR PROFILE

  • 著者:斉藤徹

株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役。

 

1985年、慶應義塾大学理工学部を卒業し、日本IBM株式会社入社。1991年2月、株式会社フレックスファームを創業。2005年7月、株式会社ループス・コミュニケーションズを創業し、ソーシャルメディアのビジネス活用に関するコンサルティング事業を幅広く展開。20年を超える起業家としての経験とビジネスに関する知見に基づき、ソーシャルシフトの提唱者として「透明な時代におけるビジネス改革」を企業に提言している。著書に『再起動 リブート』(ダイヤモンド社)『BEソーシャル 社員と顧客に愛される5つのシフト』『ソーシャルシフト これからの企業にとって一番大切なこと』(日本経済新聞出版社)、『新ソーシャルメディア完全読本』(アスキー新書)、『ソーシャルシフト 新しい顧客戦略の教科書』(共著、KADOKAWA)など多数。

 

2016年4月から学習院大学経済学部経営学科の特別客員教授に就任。「起業論」「企業経営とトップマネジメント」「企業経営とソーシャルキャピタル」「インキュベーション塾」の講義を担当する。

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