Instagramインサイトで確認できる指標に関する解説 その1

関根健介 | 2022/08/16

Instagramインサイトで確認できる指標に関する解説 その1

国内月間アクティブアカウント数が3,300万を超えたInstagram。現在では幅広い年齢層の方に利用されるようになりました。ユーザーの多様化に伴い、近年では友人知人同士でのコミュニケーション以外にも、情報収集などの目的で使う人も増えています。そのため企業がビジネス目的でアカウントを運用するケースも目立つようになりました。

しかし、アカウント運用を開始したが効果的なアカウント運用ができず困っている担当者の方も多いのではないでしょうか。アカウントのパフォーマンスを確認するためには、主にInstagramインサイトと呼ばれるInstagramのネイティブツール、あるいはサードパーティのアナリティクスツールがあります。現時点ではAPI経由で取得可能な指標は制限されおり、サードパーティのアナリティクスツールよりもネイティブツールからのほうが多くの指標を確認することが可能になります。


今回から2回にわたり掲載されている指標や、指標の見方を解説していきたいと思います。
※インサイトは無料で、ビジネスアカウントとクリエイターアカウントでのみ利用可能です。

インサイト概要

 

 

プロフィールからインサイトにアクセスすると、インサイト概要ページが表示され、各指標をタップすると別画面に詳細が表示されます。これらの各画面では、右上の[i]をタップすると、画面に表示されている各指標の定義を確認できます。画面上部のドロップダウンをタップすると、インサイトの表示対象として、プリセット期間または過去90日以内のカスタム期間を選択できます。

 

  • ●リーチしたアカウント数
  • ●アクションを実行したアカウント
  • ●合計フォロワー
  • ●あなたがシェアしたコンテンツ

 

本記事では、アカウント全体のパフォーマンスを確認することができる「リーチしたアカウント数」「アクションを実行したアカウント」「合計フォロワー」を見ていきたいと思います。

 

リーチしたアカウント数

「リーチしたアカウント数」では、指定期間(最大90日間)にコンテンツを1回以上見たユニークアカウントに関する以下の指標を確認することができます。
 ※コンテンツに該当するのはフィード投稿、ストーリーズ、リール動画、動画、ライブ動画になります。

  • ●リーチしたオーディエンス

    • 広告を含めコンテンツを1回以上見たユニークアカウントの数に関して、オーディエンスが特に多い「都市」「国」「年齢層」「性別」が表示されます。
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  • ● フォロワーとフォロワー以外
    • フォロワー、フォロワー以外別にコンテンツのリーチを確認することができます。
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  •  ●コンテンツのリーチ
    • 「投稿」「リール動画」「ストーリーズ」などコンテンツタイプ別にリーチを確認することができます。
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  •  ●インプレッション及びプロフィールのアクティビティ
    • アカウントがコンテンツを見た回数や、オーディエンスがプロフィールに対して行ったアクションの数(プロフィールへのアクセス、ウェブサイトのタップ数、ビジネス住所のタップ数、電話するボタンのタップ数、メールを送信ボタンのタップ数、テキストボタンのタップ数など)を確認する事ができます。
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  • など

 

Instagramではアカウントから投稿された時系列順に投稿がタイムラインに表示されるのではなく、アルゴリズムにより、オーディエンスの関心が高いと評価された投稿が優先的にタイムラインに表示させる仕組みになっています。リーチを確認することで、どの投稿がアルゴリズムで高い評価を獲得し、多くのタイムラインに表示されたのかを確認することができます。

フィード投稿、リール動画、ストーリーズそれぞれのリーチが前期間と比較し増加しているなら、Instagramのアルゴリズムで高く評価され、投稿テーマや投稿のタイミングなどの運用方針がうまく行っていることを確認できます。投稿のリーチが前期間と比較し低くなっている場合、投稿テーマや利用するハッシュタグ、投稿のタイミングなどを再検討する必要があります。その場合はフォロワーがオンラインになっているタイミングを比較してみてください。後述する「合計フォロワー」の「最もアクティブな時間」にて確認することができます。

 

アクションを実行したアカウント

アクションを実行したアカウントでは、コンテンツに対するインタラクションがあったアカウントに関して以下の指標を確認することができます。
 ※インタラクションには、いいね!、保存、コメント、シェア、返信などのアクションが含まれます。

 

  • ●アクションを実行したオーディエンス
    • 広告を含め、コンテンツに対するインタラクションがあったアカウントの数に関してオーディエンスが特に多い「国」「都市」「年齢層」や「性別」を確認することができます。
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  • ●フォロワーとフォロワー以外
    • コンテンツに対してインタラクションがあったアカウント数を「フォロワー」「フォロワー以外」別に確認することができます。
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  • ●コンテンツでのインタラクション及び投稿でのインタラクション
    • 「投稿」や「フィード動画」「ストリーズ」などコンテンツタイプ別に「いいね!」「コメント数」「保存数」などのインタラクションの合計数を確認することができます。
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  • など

 

Instagramアカウントを効率的に運用するため事前時にペルソナを設定している場合、アクションを実施しているアカウントの属性などは設定したペルソナと近いか確認しましょう。もし大きな違いがあれば、アカウントの運用方針を再検討する必要があります。投稿画像、動画などのテーマや、コピーのスタイルなど、想定しているペルソナが関心を持つような投稿に改善していきましょう。

ペルソナを設定していない場合、フォロワー属性を確認することでどのような人たちが投稿に関心を持っているのかなど、アカウント運用方針の参考になる情報を確認できます。また今後のアカウント運用の効果を高めるため、フォロワー属性などを参考にペルソナの設定をお勧めします。

 

合計フォロワー

合計フォロワーでは、指定期間(最大90日間)でのアカウントフォロワーに関する以下の指標を確認することができます。

 

  • ●増加
    • アカウントのフォワーに関して「全般」「フォロー数」「フォローをやめた数」別に確認することができます。「全般」は「フォロ数」ー(マイナス)「フォローをやめた数」にて算出されています。
  •  
  • ●トップの場所
    • フォロワーが住んでいる割合が多い地域の「市区町村」「国」を確認することができます。
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  • ●年齢層
    • 年齢層別のフォロワーの割合を「すべて」「男性」「女性」ごとに確認することができます。
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  • ●性別及び最もアクティブな時間
    • フォロワーの「性別」の割合や、フォロワーがInstagramを使用している傾向が高い「時間」「曜日」を確認することができます。
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  • など

 

アカウント運用がうまく行っているかどうかを判断するため、現時点のフォロワー数だけでなく、フォロワー増加率などに関しても確認する必要があります。フォロワー数がひと月ごとに順調に増加しているのであれば、アカウントの運用方針を継続して良いということが確認できます。

フォロワー増加率が減少傾向の場合、運用方針の変更を検討する必要があります。もしフォロワー増加率がマイナスの場合、獲得したフォロワーが期待している内容と投稿内容がマッチしていない可能性が発生しているなど、原因を早急に確認する必要があります。フォロワー増加率はInstagramのインサイトに表示されていないため、手動で計算する必要があります。

リーチ数が伸び悩んでいる場合、曜日や時間帯によってInstagramを利用しているフォロワーの数は異なります。「もっともアクティブな時間」を確認し、投稿時間を最適化することをおすすめします。

 

 

フォロワーの増加に関して「プロフィールへのアクセス」や「フォロー率」も確認してください。「プロフィールへのアクセス」は、「リーチしたアカウント数」で「プロフィールのアクティビティ」にて確認できます。「フォロー率」は、指定期間での「増加フォロー数/プロフィールへのアクセス数」にて手動で計算する必要があります。

プロフィールへのアクセスが多いということは投稿に関心を持ち、投稿からプロフィールページを訪れたオーディエンスが多くいると考えられます。フォロー率が高いということは、プロフィール掲載情報がオーディエンスにとって魅力的であるということになります。プロフィールへのアクセスが多いが、フォロー率が少ない場合は、プロフィール情報の変更などを検討する必要があります。

 

まとめ

Instagramインサイトでは、フォロワーの全体的な傾向や、作成した各投稿のインサイトを取得して、それぞれのパフォーマンスを確認することができます。個々の投稿のパフォーマンスだけでなく、アカウントを俯瞰して見ることも重要です。定期的にインサイトで数値を確認し、効果が出ていれば今後もその改善策を続けます。効果が出ていなければ、再度別の仮説を立てて検証しましょう。

次回は、投稿やストーリーズ、フィード動画など各投稿別にパフォーマンスが確認できる「あなたがシェアしたコンテンツ」の解説をしていきます。

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AUTHOR PROFILE

  • 著者:関根健介
ループス・コミュニケーションズ所属。某コンサルティング会社にてWebマーケティングやバイラルマーケティングを経験した後、数年放浪し2011年12月からループスへジョイン。ソーシャルメディアの健全な普及をねがい日々精進しています。関心のあるテーマはO2O・地域活性×ソーシャル・医療×ソーシャル・ソーシャルコマース ま〜ソーシャル全般です。 【座右の銘】 意思あるところに道あり 【Facebook】www.facebook.com/kensuke.sekine.7 【Twitter】 @kensuke_sekine
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