SHAREカンファレンスで登壇した国内発世界を目指すシェア系サービス9選とシェアのこれから

加藤たけし | 2011/07/31

SHAREカンファレンスで登壇した国内発世界を目指すシェア系サービス9選とシェアのこれから

このブログでも度々取り上げているテーマ”SHARE”。最新のホットなトピックとして、7月29日(金)に「SHAREカンファレンス~日本発、世界を席巻するシェアサービスとは?~」というイベントに参加してきました。NHK出版の書籍「SHARE」監修のこばへんさんこと小林弘人さんの基調講演や、日本発シェアサービス9社の代表者のプレゼンなどがあり、SHAREの考え方について、そしてシェアサービスのこれからについて、深く考える良い機会になったと思います。

SHAREカンファレンスvol,1~日本発、世界を席巻するシェアサービスとは?~

インターネット上では、テキストや音楽、動画など、デジタル化しやすいものが個人間でシェアされてきました。今では、シェア系サービスの登場により、お金やモノ、スペースなど、これまではシェアされにくかったものまでが個人間で取り引きされるようになってきています。
(その代表的な例は以下参考記事をご覧ください)

<参考記事>

海外の最新シェア系サービスをまとめたインフォグラフィック&サービス18選
http://blogs.itmedia.co.jp/socialreal/2011/07/post-d8bc.html

NHKクローズアップ現代「“シェア”~誰かと何かを共有したい~」特集で
紹介された国内サービス7選
http://blogs.itmedia.co.jp/socialreal/2011/07/nhk7-fc4b.html

そして最近では、さらにいろいろなモノをシェアするサービスが米国を中心に登場し、そのトレンドは日本にも間違いなく来ています。家や車などの高額なモノのシェアはもちろん、消費者としてモノを共有するだけではなく、逆に生産能力を共有しコラボする”コラボ生産”なども。アイディアはあるけれども生産手段を持たない側と、余剰の生産手段を持つ側とがコラボレーションすることによって新しい商品を世に送り出すマッチングサービス、ワクワクしますね。今までよりさらにクリエイティブな世界が近づいてきているはずです。まさに、新しいムーブメントでしょう。

Share

シェア系サービスの普及によって今までと大きく変わってきているのは、個人が経済に対して大きな力を持ち始めているということ。これまでの資本主義社会、マスメディア主導の世の中ではなく、ソーシャルメディアの台頭による個人の影響力の増大があり、個人が経済に対してより大きな影響力を持つ世の中になりました。企業に対しても「個人」が力を持つようになり、HERO(High Empowered and Resouceful Operative 大きな力を与えられ、臨機応変に行動できる社員)と呼ばれ始めています。透明性の時代におけるオープンリーダーシップの主役は現場のHEROです。このインパクトは今後より大きくなっていくことでしょう。シェア系サービスが普及することは、個人がパワーを持ち、世の中をより良くしていくための大きな変化に通じるものだと思っています。

<参考記事>

透明性の時代、オープンリーダーシップを考察する
http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2011/06/post-ecf6.html

また”コラボ生産”については、「ロングテール」「フリー」に続くクリス・アンダーソンの次作「新産業革命(仮題)」で、来るべき生産革命が語られる予定とのこと。こちらも非常に楽しみです。

<参考記事>

新産業革命:『ロングテール』『フリー』の先にクリス・アンダーソンが見ている世界
http://d.hatena.ne.jp/muranaga/20100607/

前置きが長くなってしまいましたが、今回のSHAREカンファレンスで紹介されていた国内発シェア系サービスをまとめます。トレンドになってきているシェア系サービス、ぜひ実際に使ってみてください。

【車】CaFoRe:みんなのカーシェアリング「カフォレ」
– 格安レンタカー・激安レンタカーよりも、地球にもやさしい個人間カーシェアリング
http://www.cafore.jp/

http://www.cafore.jp/

日本にあるマイカー総数は約5800万台。CaFoRe(カフォレ)は、そんなクルマを“借りたい人”と“貸したい人”が出会うカーシェアリングサイト。

一般的なレンタカーとはもちろん違い、特徴としては、個人間のカーシェアリングであることが挙がられます。貸し手は車種など車の情報や、レンタル可能な日時、場所、金額などの条件を記入し、借り手からの申し込みを待つことになります。借り手は、借りたい日時や場所などで検索し、お互いの条件が合えば取引が成立。引き渡し日時や場所を相談し、車を貸し借りをする、日本版Zipcarのようなマッチングサービスと言えるでしょう。

【家】ソーシャルアパートメント
– シェアハウスよりもソーシャルアパートメント
http://www.social-apartment.com/

http://www.social-apartment.com/

従来のマンションとは違い、プライバシーを確保しながら入居者同士が集うラグジュアリー空間を設置、シェアハウスにはないような「世界が広がる」居住スタイル・ライフスタイルを提供するソーシャルアパートメント。新たに一人暮らしを考えている方であれば、こちらのサイトは見ておいて絶対損はしないでしょう。事実僕自身、次回引越しを検討するタイミングには、このソーシャルアパートメントへの入居を本気で検討しようと思っています。

コミュニケーションの生まれる共用スペースの存在が住人同士の交流を促進させ、本来人間が持っている当たり前のコミュニケーションを取り戻させてくれる・・・まさにシェアのコンセプトを象徴しているでしょう。

【不動産】軒先.com:貸しスペースのことなら「軒先.com」
– もったいないスペースをシェアするサイト-
http://www.nokisaki.com/

http://www.nokisaki.com/

空きスペースを貸したい方と、使いたい方を結ぶマッチングサイト。自宅の駐車場、売出し中の土地、建物の軒先、コインパーキングの空きスペースなど、畳一畳からテナントの広いスペースまで、ありとあらゆる”使っていないスペース”を貸し出すことで、1日単位でお店を開いたり、作品を展示したりすることができるサービスです。

デッドスペースに着目したビジネスモデルは、中小企業基盤整備機構が主催するベンチャーフェアJapan2009で最優秀賞を受賞したり、経済産業省が講演するドリームゲートグランプリ2009で革新的ビジネス大賞を受賞したりするなど、今回登壇したサービスの中では比較的早い段階から実績をつくっている老舗のシェア系Webサービスと言えるでしょう。

【お金】AQUSH(アクシュ):ソーシャルレンディング
– もっと上手にお金を借りる、もっとスマートに投資する。
https://www.aqush.jp/

https://www.aqush.jp/

借りたい人と投資したい人をオンラインでつなぐソーシャルレンディングのサービスです。AQUSHの借り手と投資家は、他の金融機関を介さずにAQUSHローン・マーケットプレイスを通じて取引を行うのですが、従来の仕組みと大きく異なるのは、借り手は自分の信用リスクに見合ったフェアな金利で借入れることができること、そして投資家は自分の許容できるリスクに応じて希望の利回りを自分で決定できることです。

インターネットによって金融の流れを簡素化し、商品の提供者(お金の出し手)と受益者(お金の借り手)の距離を一気に縮めることで生まれるコストメリットを個人に還元する仕組みと言えるでしょう。まさに個人が主役のマーケットプレイスです。

【支援】Grow! – Social Patron Platform –
http://growbutton.com/

http://growbutton.com/

コンテンツクリエイターの新たな収益化、情報伝播の仕組みを生み出すための志高いサービスがGrow!です。Facebookの「いいね!(Like)」ボタンのように設置されたGrow!ボタンは、一回クリックする毎に100ポイントをその設置者に寄付することができます。また、クリックした内容はリンクを伴ってTwitterやFacebookなどのソーシャルストリームに流れるので、応援しているサービスへの導線にもなる、寄付と同時に宣伝も可能な1クリックボタンがGrow!ボタンなのです。

「能動的にクリエイターの応援をしたい」というコンセプト、個人的にも非常に共感しています。Grow!ボタンが設置されたサイトも徐々に増えてきていると思いますし、記事の内容に共感したブログなどにぜひGrow!してみてください。

【物】Livlis [リブリス] – Twitterでほしい&あげる
http://www.livlis.com/

http://www.livlis.com/

ツイッターを通じてモノをあげたりもらったりできるサービス、もっと言えば、人々の「あげたい」と「ほしい」をマッチングするサービス、それがリブリスです。株式会社はてなの元副社長、川崎 裕一 氏が2010年2月に設立した会社kamadoが昨年末にローンチしてかなり話題になったので、ご存知の方も多いかと思います。TechCrunch Japan主催のTECLOSION2011でも優秀賞を受賞してます。

オークションより顔が見え、フリーマーケットよりも手軽、さらにTwitterアカウントのみで利用できるので、Twitterユーザーが多い日本との親和性も高いです。「これ、誰かいらないかな?」ということで使える、便利なサービスでしょう。サービスを立ち上げた理由を聞かれて「衝動的に立ち上げた」と川崎さんが答えていたのも印象的です。

【オフィス】シェアゼロ – 無料シェアオフィスのマッチアップサービス
http://www.share0.net/

http://www.share0.net/

オフィスの空きスペースを無料で提供する企業と、創業したばかり起業家や個人事業主などのスタートアップをマッチングするプラットフォームとして3月に立ち上がった share0(シェアゼロ)。人と企業のマッチアップをコンセプトとし、企業が提供する空いたオフィススペースは無料が前提、オフィスシェアを通じて生じる様々な出会いを作り出すことに重きを置いています。たしかに、コストをかけずにプロフェッショナルな人材との結びつきができるのは大きなメリットです。

「人はスキルを、企業はオフィスをシェアすることにより、お互いにコストをかけずに出会い、コミュニケーションをとることで、事業の活性化を目指す」というように、まさに双方にとって価値があるシェアの形になっています。

【本】ブクペ – ソーシャルリーディングサイト
http://bukupe.com/

http://bukupe.com/

1冊の本を2,000文字以内でまとめる「本の要点まとめ」サービス。まとめを読めば、本の要点を素早くつかむことができ、読書がより効率的になります。本を買う際の参考にもなるでしょう。また、自身でまとめを作って公開すれば、読書で得た知識をブラッシュアップすることも可能です。読書体験を共有することで、自分とは違う視点が楽しめ、新しい発見をすることができるなど、まさに読書朝食会”Reading-Lab”(通称リーラボ)との親和性が非常に高いサービスです。

リアル読書会も定期的に開催しているようなので、このソーシャルリーディングサービスとコラボレーションをすることにより、読書をみんなでより楽しく、本をもっと好きになる一助になるのではないかと思っています。

【旅行】Trippiece(トリッピース)
– こんなことをやりたい!という旅や体験を企画/共有するサービス
http://trippiece.com/

※追記(2011/7/31 23:08)本日20時にリリースされたので、追記しました。

http://trippiece.com/

「世界中に国を超えて友人関係ができるサービスを作りたい」をコンセプトとした、オリジナル旅行や体験をユーザー間で企画・共有するプラットフォーム、それが「trippiece(トリッピース)」です。行きたい旅行先の企画や過去に行った体験談などの情報を共有するニーズはたしかにありそうです。趣味・嗜好を軸にして人と人がリアルでつながっていくサービスになる可能性も。

収益モデルとしては、旅行代理店や旅行先の旅館とのタイアップ、紹介マージンなどを検討しているとのこと。代表の石田氏はまだ中央大学在学中の4年生ですが、Samurai Fundからシードマネーを調達した、今後が楽しみな新興サービスと言えるでしょう。

Share2

また、今回のSHAREカンファレンスで行われたチャレンジングな取り組みとして、2つのサービスの試験運用が挙げられます。オンラインでミーティングやその議事録などのドキュメント作成を効率的に行っていくサービス「co-meeting」、そして5月に行われたStarutp Weekend Tokyo最優秀チームのサービス「QLive」の2つです。
(参考:Startup Weekend Tokyoの勝者はQlive:イベント出演のスピーカーとのQ&Aのためのサービス

■co-meeting:オンラインドキュメント作成サービス

http://www.co-meeting.com/

■QLive:イベント出演のスピーカーとのQ&Aのためのサービス

http://qlive.co/

こうしたトライアルをしてみたり、チャレンジングな場を参加者と一緒に創り上げていくイベントそのものが、今のシェアの時代らしいポジティブな取り組みだと思います。今回は残念ながらそこまでうまくは機能していなかったようですが、これから先に期待したいところです。

 

 


 

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AUTHOR PROFILE

  • 著者:加藤たけし
ループス・コミュニケーションズ所属。ジャスダック上場の人材紹介(転職支援)会社で新卒採用とWebマーケティング、編集やキャリアコンサルタント、新規事業立ち上げを経験しながら3年半勤めた後、ITベンチャーを経て2010年10月からループスに加入。ソーシャルメディアの最先端情報をお届けするUSTREAM番組 ループスTV のプロデューサーも務める。
 
プライベートでは日本最大規模の読書コミュニティ「読書朝食会Reading-Lab(通称リーラボ)」発起人 。ITmediaオルタナティブ・ブログ ソーシャル&リアルの世界 にてソーシャルメディアの最新情報を中心に執筆するとともに、夫婦メディア @Cafe(アットカフェ) も運営。2013年からは「社会的な課題の解決に取り組む革新的な事業に対して、資金の提供と、パートナーによる経営支援を行っている組織」ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京) のパートナーも。1983年生まれ。2006年SFC卒。

 

座右の銘:「ひとりじゃできないこと、みんなでやる」

 

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