【寄稿】「企業の採用動画・CM動画」12事例から分かる採用手法のトレンド

加藤たけし | 2012/03/02

 

はじめに

 

ソーシャルメディアの台頭によって、人と人とのつながりを活かした採用・就職活動の選択肢が広がってきています。今回は、採用の新しい形である「ソーシャルリクルーティング」をテーマにしたブログ 「ソーシャルリクルーティングの世界 から寄稿をいただきましたので、ご紹介させていただきます。

 

世界の人材ビジネス会社や企業の採用時において、動画がどのように活用されてきたのか。この記事では、2005年以降のトレンドの変遷をまとめていただきました。人材業界出身の私としても、これまでの採用トレンドの変遷を踏まえつつ、採用活動が最も活発なこの3月から5月の状況は特にしっかりとウォッチしていきたいと思います。

 

<寄稿者:「ソーシャルリクルーティングの世界」メインライター>


ソーシャルリクルーティングに関する話題や活用事例を発信しているブログ「ソーシャルリクルーティングの世界」のメインライターは、株式会社garbs代表取締役社長のお二人です。

ブログ「ソーシャルリクルーティングの世界」 http://www.social-recruiting.jp/
ソーシャルリクルーティングサービス http://www.socialjobposting.com/
Facebookページ「ソーシャルリクルーティングの世界」 http://www.facebook.com/SocialRecruitingWorld

 

 

 

12事例から分かる採用トレンドの変遷

 

2005年4月23日、「動画マーケティングが世界を変える!」と言われ、YouTube に初めて動画がアップされてからこの春で8年目となります。

 

 

動画配信サービスであるYouTubeや、最近ユーザーやコンテンツが増え始めている「Vimeo」も広義ではSNSです。先進的企業は、YouTube内に企業の公式ページを持ち、動画を通してユーザーとコミュニケーションを行い情報発信をしています。

 

先日のスーパーボールのスポット広告でも、人材ビジネス企業としては、唯一「Careerbuilder.com」が世界一高価とも言える値段で30秒広告を出していました。

 

 

今回は、時代ごとに世界でどのような動画が発信されているかということについてまとめます。

 

 

 

1999年〜2000年代初頭:将来への期待と企業の責任

 

やはり、2000年以前の時代において、最も印象に残るCMは、「Monster.com」の『When I Grow Up』シリーズでしょう。インターネットバブル崩壊の少し前となる1999年、「The Monster Board」と「Online Career Center」が合併し、「Monster.com」となりました。

 

このCMは、未来への希望や夢を感じさせると同時に、企業側も職に携わる使命感や重責、崇高さを感じさせるシリーズとして、その後も長くバージョンを替え配信されていました。

 

 

 

 

2000年代半ば:ユーモアとウィットに飛んだCM

 

そして、「Monster.com」のYouTube公式ページで最も閲覧されている動画が、2000年代中頃の同じくスーパーボールで配信された『Fiddling Beaver Official Super Bowl Ad』CMです。

 

また、Career Builderの猿を使ったCMもありました。この時期になるとテレビ広告の常連となる大手求人媒体のスタイルは、ウィットや少し皮肉を織り交ぜ、ユーモアある内容へと変貌していきます。

 

 

 

 

 

2000年代後半:苦しい時代の生き残りと応援

 

2000年後半、アメリカでは、リーマンショックという大きな経済不況に突入する中、「苦しい時代をなんとか新しい可能性を模索しよう、乗り切ろう、生き残ろう、そのためには転職を。」というように、転職はサバイブする手段であるというコンセプトに変わっていきました。

 

 

 

 

この時代、日本でもジワジワと、リーマンショックの影響が見え始めてきた中、国内の人材ビジネス事業者からも世界に負けない見ごたえのある作品が生まれています。人材ビジネス事業者の立ち位置を明確に提示し、なんとか、苦しい時代を共に駆け抜けようという非常に心強いメッセージを受け取ることができました。

 

 

 

 

 

2010年代:企業の採用動画の時代

 

2010年代、現在配信されている人材ビジネス事業者のCMには、2000年代後半のトレンドから大きなシフトを感じるものはありません。

 

一方で、新しい潮流として、企業が独自に自社の採用をアピールするために「求人企業の採用動画」を作成するという動きがあります。こうした求人を目的とした動画は多岐にわたり活用され、様々なものが生まれています。

 

 

Facebook

 

まずは2012年2月に上場を申請したFacebook。非常にシンプルな動画で、音楽もMacのフリー素材で作られています。この動画以外にも様々な人のインタビュー動画が用意されており、ダイバーシティー(多様性)やエンジニアにとっての環境などを従業員自ら紹介することで、職場としてのFacebookをアピールしています。

 

http://www.facebook.com/careers/life.php

 

 

LinkedIn

 

そして、LinkedIn。もちろん自社サービスを使った採用活動は積極的ですが、YouTubeにも公式ページを設置し、相当数の動画を発信しています。特にエンジニアに対する情報開示動画は積極的に行っているようです。

 

 

 

Twitter

 

TwitterもYouTubeに公式アカウントを用意し、積極的に活用している1社です。Twitterが発信する動画は、他のトレンドに流されることなく、毎度ウィットにとんだ独自性あるスタイルです。最新の下記の動画もとても面白いものになっています。

 

 

 

株式会社オプト

 

最後に紹介する動画は、日本からの1本で、株式会社オプトの新卒採用MOVIEです。アニメを活用した5分を超える超大作で、動画として非常に高いクオリティで作成されています。「新卒採用に注力し、育てる」という文化は世界的にみても、あまり類のない文化のため、グローバル化する昨今の採用領域においては目立ちます。

 

こういうチャレンジングな取り組みの先に、日本独自のすばらしいスタイルが確立されていくはずです。

 

 

 

 

まとめ:企業が動画を作ってメッセージを発信する時代に

 

2000年代から現在までの人材ビジネスの広告、企業の求人動画を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。時代に流れや景気の動向によって、メッセージや伝え方がずいぶん変わることがわかります。

 

2010年に入ってからは、企業が独自に動画を作成するという動きが出てきています。自分たちで作成した動画をYouTubeにおけば、テレビCMのように高額な広告費を払うことなく、自社のメッセージを伝えられるようになったので、企業の採用動画は今後さらに広まっていくでしょう。

 

 

 

採用マーケットのめまぐるしい変化と、変わらないはずの本質

 

3月に入り、就職活動をしている大学生を街中で見かけることも増えてきたかと思います。私自身が人材業界ということもありますし、学生団体としての就職活動支援、また新卒で入社した会社の採用プロジェクトリーダーの経験なども含め、採用に関わる方々と情報交換する機会に恵まれているのですが・・・その中で強く実感するのは、採用マーケットにおける変化の激しさです。私自身が就職活動をしていた7年前(もう7年も前になるんですね・・・苦笑)と比べても、採用手法も全く違ったものになっています。企業の新しい採用活動を提案し、企業と個人とがより良い関係を築けることを目指す「ソーシャルリクルーティング」も含め、最新のトレンドは今後もしっかりと追っていくつもりです。

 

また、改めて思ったことがあります。それは「採用マーケットの変化は激しくても、採用の本質はきっと変わっていないはず」だということです。ソーシャルメディアというツールが登場したことにより、採用の手法は大きく変化してきましたが、採用の本質的なところはむしろ、原点回帰しているように感じます。この辺りはまた別の機会にまとめさせていただきます。

 

寄稿いただいた「ソーシャルリクルーティングの世界」の皆さん、ありがとうございました!

 

 

 

「ソーシャルリクルーティングの世界」 メインライター

 

池見 幸浩(Yukihiro Ikemi)

 

株式会社garbs 代表取締役。2004年3月に3,000社以上が利用する国内最大級の人材紹介会社向けのマーケットサイト「人財紹介net」の企画・運営を行なう株式会社groovesを設立。2011年1月には国内初のソーシャルリクルーティングサービスの企画・運営を行なう株式会社garbsを設立。現在、グループで世界19ヵ国、約3,500社のユーザーへインターネットサービスを提供している。

  

大畑 貴文(Takafumi Ohata) 

 

株式会社garbs 代表取締役。2004年に起業。これまで多数の採用企業・人材エージェント向けサービス企画、Webアプリケーション開発に携わる。現在はソーシャルリクルーティング支援アプリケーションの企画・開発を行う一方、企業採用でのソーシャルメディア活用についてのアドバイス、コンサルティングなどを行う。

 

 

記事執筆) 加藤 たけし http://www.facebook.com/takeshi.kato1204

 

COMMENT

12 件のフィードバック

  1. shintokeimail より:

    力作過ぎてヤバイ。

  2. yaccy846 より:

    「企業の採用動画・CM動画」12事例から分かる採用手法のトレンド http://t.co/omIC7V1c @LooopsComさんから
    ご掲載いただきました!ありがとうございました!

  3. g_semi より:

    「企業の採用動画・CM動画」12事例から分かる採用手法のトレンド in the looop 加藤たけし http://t.co/2gQ6XWbk

  4. kogayuki より:

    どんなに長いテキストよりも、10秒の動画の方が情報量は多いかもしれませんね。 「企業の採用動画・CM動画」12事例から分かる採用手法のトレンド http://t.co/PH0Fbm8e

  5. bizna_haruka より:

    「企業の採用動画・CM動画」12事例から分かる採用手法のトレンド http://t.co/27031s0j @LooopsComさんから

  6. looopscom より:

    【先週の人気記事】採用における動画活用、そのトレンド変遷がまとまった大作記事です。FacebookやTwitterも。 / 「企業の採用動画・CM動画」12事例から分かる採用手法のトレンド http://t.co/zwnKbbiW

  7. shindomo より:

    【先週の人気記事】採用における動画活用、そのトレンド変遷がまとまった大作記事です。FacebookやTwitterも。 / 「企業の採用動画・CM動画」12事例から分かる採用手法のトレンド http://t.co/zwnKbbiW

  8. hrmd_news より:

    「企業の採用動画・CM動画」12事例から分かる採用手法のトレンド in the looop 加藤たけし http://t.co/qQgXFozj

  9. gadgetsno1 より:

    2011年度は仕事でいくつか動画を作成しました。2012年度継続したいと思っていますので、この記事が役立ちました → 「企業の採用動画・CM動画」12事例から分かる採用手法のトレンド http://t.co/DRd6AJRH

  10. shojiueda より:

    2011年度は仕事でいくつか動画を作成しました。2012年度継続したいと思っていますので、この記事が役立ちました → 「企業の採用動画・CM動画」12事例から分かる採用手法のトレンド http://t.co/NinHzTdD

  11. masato_yguchi より:

    やはり、採用活動において動画は求められている。
    先日伺った会社でも同じような話になりました。

    企業の採用支援をされている会社なのですが、… http://t.co/oGMMiutE

  12. erdenish より:

    良い記事です

AUTHOR PROFILE

  • 著者:加藤たけし
ループス・コミュニケーションズ所属。ジャスダック上場の人材紹介(転職支援)会社で新卒採用とWebマーケティング、編集やキャリアコンサルタント、新規事業立ち上げを経験しながら3年半勤めた後、ITベンチャーを経て2010年10月からループスに加入。ソーシャルメディアの最先端情報をお届けするUSTREAM番組 ループスTV のプロデューサーも務める。
 
プライベートでは日本最大規模の読書コミュニティ「読書朝食会Reading-Lab(通称リーラボ)」発起人 。ITmediaオルタナティブ・ブログ ソーシャル&リアルの世界 にてソーシャルメディアの最新情報を中心に執筆するとともに、夫婦メディア @Cafe(アットカフェ) も運営。2013年からは「社会的な課題の解決に取り組む革新的な事業に対して、資金の提供と、パートナーによる経営支援を行っている組織」ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京) のパートナーも。1983年生まれ。2006年SFC卒。

 

座右の銘:「ひとりじゃできないこと、みんなでやる」

 

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