社員とパートナーと機械をリアルタイムにつなぐ。GEが目指すソーシャル革命

斉藤徹 | 2012/10/02

社員とパートナーと機械をリアルタイムにつなぐ。GEが目指すソーシャル革命

 

IBMの大規模調査「IBM GLOBAL CEO Study 2012」では、ソーシャルメディア時代における新戦略として、多くのCEOが「顧客・社員・パートナー」との関係性を深め、競合優位の構築を推進していることを明らかにした。この記事では、先日開催されたセールスフォースのイベント「ドリームフォース」にて、この絆による価値創造を具体的にどのようにしていくか、発表された情報をベースに詳細に踏みこみたい。今回は最終回として、「社員とパートナー、さらに機械をつなぐことによる価値創造」を、ゼネラル・エレクトリック社の最新事例をもとに紹介したい。

 

 

セールスフォースのCEO、マーク・ベニオフ氏は「昨年すばらしいことが起きました」とGEとのコラボレーションを語り始めた。それによると、昨年のイベント「ドリームフォース」の後、GEのCEO、ジェフ・イメルト氏から電話をもらい「GEの将来についてアイデアが欲しい」と依頼されたという。彼がヒントを欲しいと問うたところ、イメルト氏から返ってきたのは二つのビジョンだった。一つはインテリジェンスを持つ機械とコミュニケーションすること、二つ目はその機械に対してのカスタマーサービスを行うことだ。それを基に創られたのが「GE Share」というコンセプトだ。

 

 

この画面は、Chatterを使って、機械(エンジン)と顧客(JAL)、そしてGEの社員が、まさにリアルタイムに対話しているものだ。彼らのエンジンはインテリジェンスでAPIを持っており、人間のようにChatterにさまざまなステイタスをつぶやく。その言葉に呼応して自社やパートナー、お客様のエンジニアとコラボレーションを行い、さらにエンドユーザを含めたコミュニケーションを行う。つまり、エンジンの周りに「ソーシャルネットワーク」が生まれるコンセプトだ。

 

 なお、この「GE Share」の機能は次のような組み合わせで構成される。

  1.  Salesforce Platformを使うことで、様々なGE製品と連携し、エラーメッセージなどをすばやく関係者間で共有することができる
  2.  Service CloudやChatterを組み合わせることで、GE製品の状況を写真を含めてリアルタイムに把握し、的確なサポートを顧客に提供できる
  3.  Chatter Communitiesを使うことで、GE製品の顧客(GE Aviationの場合はJAL)と同じ情報を共有し、製品の改善を共同で行うことができる
  4.  Sales Cloudと一緒に使うことで、営業活動をデジタル化し、エンジニアとの共同活動を迅速に進めることができる
  5.  Chatterを使うことでコミュニケーションが変わり、ノウハウが簡単に共有・検索できるようになることで、学習が加速化される

 

 

 

デモンストレーションの最後に、GE のGlobal CIO、シャーリーン氏はGEの将来像をこう話した。「これからはビジネスの方法が変わると思います。私にとってのソーシャルというのは、新しい売り上げ、新しい価値です。非常にシンプルですよ。それは学習を加速化することです。コミュニケーションをよくすることです。正しい人間と正しい情報を正しい時期に正しいデバイスへ、どこにいてもつなぐことです。GEには30万人の社員がいます。インストールベースもたくさんあります。非常に大切なのはコミュニケーションをよくすることです。学習を加速化すること。新しい形でお客様にバリューを持つこと。機械はいろいろなデータを持ってます。そのデータを早くつかんで、それを本当に意味のある情報。例えば機関車を速く走らせるようにする。飛行機の燃費をよくする。これがすばらしい価値になるのです」

 

なお、GEグループは「GE Share」以外にもSalesforceを多面的に活用している。当イベントでは、GE CapitalがChatterとコミュニティ活用事例として取り上げられた。彼らはChatterを活用し、社内のコミュニケーションやコラボレーションを活性化。さらに社外のパートナーも巻き込むプラットフォームを構築している。その様子は次のビデオでご覧いただきたい。

 

[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=xxmm0Dyxoy8[/youtube]

閲覧できない方は YouTube へ [GE Capital creates a branded social experience]

 

 

■ セールスフォース・イベント「ドリームフォース」特集記事

・第一回「セールスフォース、全製品ラインを統合する新たなソーシャル戦略を発表

・第二回「顧客との絆を深める。バージンアメリカが目指すソーシャル革命

・第三回「人事は管理からエンパワーメントへ。Facebook社内のソーシャルな社員評価システム」 

・第四回「社員とパートナーと機械をリアルタイムにつなぐ。GEが目指すソーシャル革命

 

COMMENT

10 件のフィードバック

  1. yutaiitaka より:

    社員とパートナーと機械をリアルタイムにつなぐ。GEが目指すソーシャル革命 [ITL] http://t.co/rzgjVWC2 #ITL @LooopsComさんから

  2. hisanom より:

    新しい形の価値創造を目指すソーシャル活用の最先端事例として注目です。サンフランシスコからのレポート記事。 / 社員とパートナーと機械をリアルタイムにつなぐ。GEが目指すソーシャル革命 http://t.co/H9EjW6pq

  3. musevanreyback より:

    メモ/社員とパートナーと機械をリアルタイムにつなぐ。GEが目指すソーシャル革命 http://t.co/PJfuFar9

  4. autoaya より:

    新しい形の価値創造を目指すソーシャル活用の最先端事例として注目です。サンフランシスコからのレポート記事。 / 社員とパートナーと機械をリアルタイムにつなぐ。GEが目指すソーシャル革命 http://t.co/H9EjW6pq

  5. sen_bund より:

    社員とパートナーと機械をリアルタイムにつなぐ。GEが目指すソーシャル革命 [ITL] http://t.co/FsNTdgJ3 #ITL @LooopsComさんから

  6. netyear_shino より:

    社員とパートナーと機械をリアルタイムにつなぐ。GEが目指すソーシャル革命 http://t.co/oqUiLX3M

  7. etcetra より:

    「一つはインテリジェンスを持つ機械とコミュニケーションすること、二つ目はその機械に対してのカスタマーサービスを行うこと。それを基に創られたのがGE Share」|社員とパートナーと機械をリアルタイムにつなぐ。GEが目指すソーシャル革命 http://t.co/ldVDep34

AUTHOR PROFILE

  • 著者:斉藤徹

株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役。

 

1985年、慶應義塾大学理工学部を卒業し、日本IBM株式会社入社。1991年2月、株式会社フレックスファームを創業。2005年7月、株式会社ループス・コミュニケーションズを創業し、ソーシャルメディアのビジネス活用に関するコンサルティング事業を幅広く展開。20年を超える起業家としての経験とビジネスに関する知見に基づき、ソーシャルシフトの提唱者として「透明な時代におけるビジネス改革」を企業に提言している。著書に『再起動 リブート』(ダイヤモンド社)『BEソーシャル 社員と顧客に愛される5つのシフト』『ソーシャルシフト これからの企業にとって一番大切なこと』(日本経済新聞出版社)、『新ソーシャルメディア完全読本』(アスキー新書)、『ソーシャルシフト 新しい顧客戦略の教科書』(共著、KADOKAWA)など多数。

 

2016年4月から学習院大学経済学部経営学科の特別客員教授に就任。「起業論」「企業経営とトップマネジメント」「企業経営とソーシャルキャピタル」「インキュベーション塾」の講義を担当する。

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