2014年、これからのソーシャルメディア・トレンドを探る

斉藤徹 | 2014/01/14

2009年には世界中で乱立していたソーシャルメディアは、Facebookの飛躍的な普及により、一気に集約に向かいはじめた。2013年1Qの時点では、Facebookの月間アクティブユーザーはインターネット利用者の51% (GlobalWebIndex調査)を占め、中国を除くほぼ全世界においてFacebookはスタンダードなソーシャルメディアの地位を確立することとなった。

 

しかしモバイル普及が進むにつれ、Facebookのアキレス腱も露呈しはじめる。PC利用を前提とした複雑なインターフェース、世代間のコミュニケーションギャップなどだ。特に10代のFacebook離れは深刻で、2013年1Qの76%から、わずか半年で20%ダウンの56%(同上)に減少した。一方で、モバイル利用を前提としたTwitterが上場し、さらに数多くのモバイル・ネイティブなソーシャル・アプリが次々と登場してきた。今、ソーシャルの世界は、以前のようにふたたび拡散しつつあるのだ。

 

この記事では、現時点でのソーシャルメディア普及を踏まえた上で、これから何が大切になってゆくのかを、特にビジネスユーザーの視点で2014年のトレンドを探りたい。

 

 

2013年 ソーシャルメディアの現状

 

米国調査会社Pew Research Centerが、米国ソーシャルメディアの最新利用状況を発表 (PDF) した。2013年8月から9月にかけて母数1445名に対して行われた電話聞き取り調査をベースとしたもので、18才以上を対象としている点に注意したい。

 

 

米国の18才以上の利用者においては、依然としてFacebookが強く、LinkedInやTwitterなどを成長率で上回った。ただし、この1年で最ものびたのはPinterestだ。アクティブ率で見てもFacebookは最も強く、63%のユーザーは毎日利用している。一方でPinterest、LinkedInは他と比較して利用頻度が少ないことがわかった。

 

 

世代別に見た分布でもFacebookは満遍なくトップシェアを維持しているが、各サービスの特徴として次の点が見てとれる。
・18-29才の利用率が高く、若い世代に支持されているのはInstagram、続いてTwitterだ。
・FacebookとPinterestの世代傾向は類似しており、30-49才の支持が高い。
・最も特徴があるのはLinkedInで、30-64才のビジネスパーソンの支持が突出している。

 

米国の普及状況を踏まえると、メディアが書き立てるほど過度なFacebook離れは起きていないようだ。ただし10代前半の減少傾向は非常に強く、今後数年をかけてソーシャルメディアの勢力図に大きな変化が起きることが予想される。

 

Global Index社調査によると、10代利用者を急速に集めているのは、Twitter傘下の動画共有アプリVine、写真共有アプリのfrickr、Instagram、SnapChatなどだ。これらはすべてモバイル利用を前提とし、写真や動画をコミュニケーションの主軸においたサービスだ。ここに若者の趣向が明確に現れている。

 

日本の特殊事情にも触れておきたい。まず、LINEがモバイル・コミュニケーションのスタンダードの座を獲得しつつあり、米国以上に若者のFacebook離れを加速させる可能性がある。一方、LinkedInが普及していないために、日本のFacebookにはビジネスSNSとしてのニーズが手堅く残るはずだ。そのため、高年齢層と低年齢層、都市部と地方、ビジネスパーソンとそれ以外で、メインのコミュニケーション・プラットフォームが分かれてゆく可能性が高いだろう。

 

 

2014年 これからのソーシャルメディア・トレンド

 

2014年初に、複数の海外メディアが2014年のソーシャルメディア・トレンドを予測した。この記事では、その中で、約5000回とソーシャルメディアにおける支持が多く、ビジネス活用の観点でコンパクトに主旨がまとめられているRick Mulready氏の記事 (5 Social Media Predictions for 2014, Entrepreneur) をもとに、そのトレンドを凝縮してお伝えしたい。なお、内容は筆者により大幅に意訳・加筆されているため、正確に原文を知りたい方は元記事に目を通されることをおすすめします。

 

1.  ショートムービー

6秒動画のVine、15秒動画のInstagramなどが若者にウケている。モバイル機器の特性を反映し、コンテンツはテキストから写真、さらには動画へと移行してゆく。それもすぐにその場で撮影するインスタントなムービーが重要になる。今、時代が求めているのはリアルタイムにストーリーを凝縮したコンテンツ、それを制作できるソーシャル芸人とでも言うべき才能だろう。

 

2. 熱狂的なファン

ビジネスにとって、ますます自社の熱狂的なファンが大切になる。彼は自らの意思で良いクチコミを広げてくれる最強のマーケッターだ。ブランドのエバンジェリストを醸成するとともに、ツールの提供などで支援することが大切になるだろう。

 

3. Google+

今年はGoogle+が重要になる。月次アクティブユーザーで、Facebookの12億人、Twitterの2.3億人に対して、Google+は3億人に達している。Google+はソーシャルメディアとしても大切だが、SEO効果と連携するため、ビジネス視点では他のメディアを凌ぐ価値があると言えるだろう。

 

4. コンテクスト

ソーシャルメディア上ではコンテンツの重要性が叫ばれているが、今年はさらに一歩すすめて、そのソーシャルチャネルのコンテキストを理解する姿勢が求められる。生活者がそのソーシャルメディアを利用している背景を理解し、それにふさわしい独自コンテンツを制作することが大切になるだろう。

 

5. ソーシャル広告

2014年、Facebookに投稿するフィードは、利用者増加とアルゴリズム改訂によって、さらにファンにリーチしにくくなる。またTwitterでは「Tailored audiences」という行動ターゲティング広告が開発されている。今年はこれらソーシャルメディア上の広告がより重要となり、活用する企業が増えるだろう。

 

さらに詳しく知りたい方のために、ソーシャルメディア分野の予測のうち、数多くシェアされた優良記事をいくつかピックアップしておきたい。

 

・Forbes … 約20,000シェア

 The Top 7 Social Media Marketing Trends That Will Dominate 2014

・Social Media Examiner … 約7,000シェア 
 11 Social Media Marketing Predictions to Watch for 2014

 ・Socialmedia today … 約6,000シェア

 Trends That Will Shape 2014

 ・Jeffbullas.com … 約4,000シェア
 The 10 Big Social Media Marketing Trends in 2014

 

最後に、今年注目されるであろう次世代ソーシャルメディアを特集したMashableの記事を紹介したい。Twitter創業者であるEvanWilliamsによる新プログ・プラットフォーム「Medium」、プライベートSNSアプリ「Kleek」、動画共有アプリ「Viddy」など、2014年に注目すべき10の次世代サービスが列挙されており、興味深い内容になっている。

 

・Mashable … 約11,000シェア

 10 Hot Social Networks to Watch

 

 

COMMENT

4 件のフィードバック

  1. musicala より:

    2014年、これからのソーシャルメディア・トレンドを探る [in the looop] #inthelooop via @LooopsCom

  2. sasamaru55 より:

    増加するモバイルユーザー。その影でFacebookユーザーが減少。ユーザーのニーズの変化に注目。

  3. good510 より:

    “Kleek”

  4. aapoak より:

    Google+でのSEO

AUTHOR PROFILE

  • 著者:斉藤徹

株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役。

 

1985年、慶應義塾大学理工学部を卒業し、日本IBM株式会社入社。1991年2月、株式会社フレックスファームを創業。2005年7月、株式会社ループス・コミュニケーションズを創業し、ソーシャルメディアのビジネス活用に関するコンサルティング事業を幅広く展開。20年を超える起業家としての経験とビジネスに関する知見に基づき、ソーシャルシフトの提唱者として「透明な時代におけるビジネス改革」を企業に提言している。著書に『再起動 リブート』(ダイヤモンド社)『BEソーシャル 社員と顧客に愛される5つのシフト』『ソーシャルシフト これからの企業にとって一番大切なこと』(日本経済新聞出版社)、『新ソーシャルメディア完全読本』(アスキー新書)、『ソーシャルシフト 新しい顧客戦略の教科書』(共著、KADOKAWA)など多数。

 

2016年4月から学習院大学経済学部経営学科の特別客員教授に就任。「起業論」「企業経営とトップマネジメント」「企業経営とソーシャルキャピタル」「インキュベーション塾」の講義を担当する。

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