2013年4Q最新版、世界のソーシャルメディア・アプリ勢力図 〜 WhatsApp, WeChat, LINE など新興勢力が急伸

斉藤徹 | 2014/01/16

2013年4Q最新版、世界のソーシャルメディア・アプリ勢力図 〜 WhatsApp, WeChat, LINE など新興勢力が急伸

調査会社GlobalWebIndex社から、最新版のソーシャルメディアに関するリサーチ結果が発表された。この調査は、全世界のモバイル・インターネット・ユーザー4000人(年齢は16-64才)を対象にして「以下のモバイルおよびタブレット・アプリのうち、この一ヶ月で使用したアプリはどれですか?」という質問への回答を集計したもの。ただし中国は調査対象外となっており、中国におけるアプリ使用状況は同社推定値となっていることに注意したい。

 

チャートの見方を簡単に説明したい。水色のラインは2013年2Q調査、紺色のラインが2013年4Q調査であり、二つの幅が広いほど半年間の成長率が高いことを示している。また右のピンク数値はこの半年間における成長率をあらわしている。

 

トップはFacebookで、普及率69%(半年成長率11%、以下成長率と略)だった。2位がYouTube 59%(成長率13%)、3位がGoogle+ 37%(成長率15%)と続く。モバイルやタブレット・アプリにおいても、現時点では「PC世代のソーシャルメディア」が上位を占めていることがわかる。ただし、それ以降はモバイルやタブレットに特化した新興勢力、いわば「モバイル世代のソーシャルメディア」が位置づけており、それらが旧世代を急追している様子が見てとれる。

 

最も成長が際立つのはメッセンジャー系アプリで、第4位にFacebook Messenger 37%(成長率13%)、第5位にWhatsApp 36%(成長率35%)、第9位にWeChat(成長率379%)、第10位にLINE 10%(成長率22%)、第14位にKakao Talk 6%(成長率23%)、第17位にKik Messenger 3%(成長率31%)と、6アプリが次世代トップを目指して凌ぎを削っている。

 

中でも注目されるのは、米国WhatsApp中国WeChat日本LINEという三大新興メッセンジャー系アプリによる世界市場における覇権争いだ。モバイルユーザーはシンプルな操作性を望むため、機能的な差別化をしにくい。またアプリに慣れ親しむと、ネットワーク外部性によって乗換えが困難だ。そのため、成長期にある今がまさに勝負時と言えるだろう。

 

ここで重要になるのが地域別の覇権争いだ。下記の図表はONAVO社による調査で、メッセンジャー系アプリの世界各国におけるシェアを表したものだ。調査タイミングは2013年6月、対象はiPhoneユーザーのみだが、国別の傾向はおよそ俯瞰できるだろう。半年前のデータだが、これを見る限り、世界的にみるとWhatsAppが圧倒的に強く、WeChatは中国、LINEは日本と、地域限定メッセンジャーとしての色合いが強い。そのため、両社にとっては、普及が遅れた東南アジアなどへの進出が重要課題となっている。

 

なお、各社が発表した最新MAU(月次アクティブユーザー)は、WhatsApp4億人(2013/12)、WeChat2.7億人(2013/9)だ。LINEはMAUを公表していないが、登録者数の3億人(2013/11)から、MAUは2〜2.5億人のレンジであると予想される。GlobalWebIndex調査の推定値とはやや隔たりがあるのは、WeChatおよびLINEの地域依存が高いことが原因かもしれない。いずれにしてもこの三つ巴の争いがソーシャルメディアの新しい勢力図に大きな影響を及ぼすことは間違いないだろう。

  

なお、メッセンジャー系とならんで強い分野が写真動画共有系アプリで、第8位にInstagram 21%(成長率33%)、第13位にFlickr 6%(成長率1%)、第15位にSnapchat 5%(成長率54%)、第16位にVine 4%(成長率105%)が入っている。中でも50%以上の成長率を誇る新興系アプリ、SnapchatVineがどこまで伸びるかに注目したい。

 

【参考記事】

2014年、これからのソーシャルメディア・トレンドを探る [in the looop] (2014/1/14  斉藤記事)

 

 

COMMENT

7 件のフィードバック

  1. shachi_kk より:

    Read: 2013年4Q最新版、世界のソーシャルメディア・アプリ勢力図 〜 WhatsApp, WeChat, LINE など新興勢力が急伸 [in the looop]-

  2. mpresso より:

    2013年4Q最新版、世界のソーシャルメディア・アプリ勢力図 〜 WhatsApp, WeChat, LINE など新興勢力が急伸

  3. sin20xx より:

    興味深い。予想以上にGoogle+が健闘しているのにびっくりした。

  4. NANA_NO1 より:

    2013年4Q最新版、世界のソーシャルメディア・アプリ勢力図 〜 WhatsApp, WeChat, LINE など新興勢力が急伸 [in the looop] #inthelooop @LooopsComさんから

  5. Miya より:

    出典明示 // 2013年4Q最新版、世界のソーシャルメディア・アプリ勢力図 〜 WhatsApp, WeChat, LINE など新興勢力が急伸 [in the looop]

  6. tkys0628 より:

    “米国WhatsApp、中国WeChat、日本LINEという三大新興メッセンジャー系アプリによる世界市場における覇権争い”ふむ

  7. BRITAN より:

    メモ

AUTHOR PROFILE

  • 著者:斉藤徹

株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役。

 

1985年、慶應義塾大学理工学部を卒業し、日本IBM株式会社入社。1991年2月、株式会社フレックスファームを創業。2005年7月、株式会社ループス・コミュニケーションズを創業し、ソーシャルメディアのビジネス活用に関するコンサルティング事業を幅広く展開。20年を超える起業家としての経験とビジネスに関する知見に基づき、ソーシャルシフトの提唱者として「透明な時代におけるビジネス改革」を企業に提言している。著書に『再起動 リブート』(ダイヤモンド社)『BEソーシャル 社員と顧客に愛される5つのシフト』『ソーシャルシフト これからの企業にとって一番大切なこと』(日本経済新聞出版社)、『新ソーシャルメディア完全読本』(アスキー新書)、『ソーシャルシフト 新しい顧客戦略の教科書』(共著、KADOKAWA)など多数。

 

2016年4月から学習院大学経済学部経営学科の特別客員教授に就任。「起業論」「企業経営とトップマネジメント」「企業経営とソーシャルキャピタル」「インキュベーション塾」の講義を担当する。

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