社内SNSで最も気をつけるべき点とは

福田浩至 | 2013/09/06

社内SNSで最も気をつけるべき点とは

Looops岡村(健)です。社内SNSやエンタープライズソーシャルネットワークや社内SNSを導入する際にどのような点に気をつければいいの?と聞かれることがよくあります。

 

目的、効果については過去に記事化した際にこの3点を挙げました。

 

・業務(ビジネス)の効率化

・イノベーションを創り出す

・(ソーシャル時代の)オープンな会社になる

 

エンタープライズソーシャルの効果とは?

 

ではどのような点に気をつければいいのでしょうか。

 

ここでソーシャルメディアによって何ができるようになったのかを考えてみたいと思います。ソーシャルメディアによって一番大きく変わったことは行動の可視化です。mixi、Twitter、Facebookがない頃。といってもほんの10年前までは皆さんは他人の行動をどうやって知っていましたか?おそらく、直接会って話したり、電話をしたり、メールをすることで他人の行動を知るようになっていたと思います。

 

ソーシャルメディアの普及後、この行動の可視化が大きく変わりました。実はループスでは2009年頃から社員のみんながFacebookを使い始めていました。その頃はまだ日本では留学経験者や一部のアーリーアダプターしかFacebookを使っていませんでした。

 

社員だけでFacebookを使っていた訳ですが、こんなの別に会って話せばいいよね(当時は社員が7人が一部屋で仕事をしていたこともあり)とか言いながら、たまに休みの日の行動をつぶやいたりしていました。ある日、副社長の福田さんが毎日ジョギングをしているという投稿を見つけました。そして福田さんに「福田さんジョギングしてはるんですねえ」と話し、その話題でみんなで盛り上がりました。

 

その時にはっと気付いたわけです。福田さん自身は社員に向かってジョギングをしているという話をしているわけではないが、自然に社員は福田さんがジョギングしていることを知り話題にするわけです。ソーシャルメディアがない頃だと、おそらく福田さんが毎日ジョギングをしていることを話し出さなければ、福田さんがジョギングをしていることが全く分からなかったのです。

 

社内SNSでも同じことが言えると思います。

 

マーケティング担当:「営業資料を更新したのでみんな意見ください」

営業部門:「はい。サービス紹介に新しく取り扱い始めた商材も入れもらえませんか?」

情報システム部門:「Pマークを取っていることもしっかりアピールお願いします!」

社長:「今回の営業資料のデキはいいねえ。他社に行く時に持っていきたくなるね、これからもがんばってください」

 

社内SNSでこのようなやりとりができれば素晴らしいですよね。おそらく社内ソーシャルネットワークがない時にはマーケティング担当は営業資料を更新して関係者(マーケティング部、営業部)にメールをして終わりだったと思います。この場合で言うとマーケティング部門の担当者の行動が可視化されることによって新しいアイデアやイノベーションが生まれ、社内がオープン化され、業務の効率化も実現できるようになるのです。

 

とはいうものの行動の可視化には社内SNSが不可欠であるというわけでもありません。あくまで社内SNSはツールであり、手段です。アイデア次第で社内ソーシャルネットワークなしでも行動の可視化は実現できます。

 

例えば、朝礼の際に「○○くんはお客様への道案内の電話対応の際には、最後に○○様、お気をつけていらっしゃいませ。と必ず付ける。これは素晴らしいことです」や「昨日、営業チームがトラブルになっていた案件が開発チームの協力のおかげで短期間でトラブルが解決できました」という話をするのはどうでしょうか。社内SNSを使わずとも普段から行動の可視化をすることは可能です。

 

しかしながら面と向かって褒めたり感謝することが苦手な日本人の気質や、組織が大きくなるにつれて取りづらくなるコミュニケーションを考えると社内SNSを使うことで行動の可視化への新しい道を切り開くこともできるのではないでしょうか。

 

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1 件のフィードバック

  1. munesora より:

    見えてくると行動が変わる。可視化って大事。

AUTHOR PROFILE

  • 著者:福田浩至

株式会社ループス・コミュニケーションズ副社長、博士(情報管理)

多数の企業にて、ソーシャルメディアの効果的かつ安全な運営を支援しています。 特に、企業のソーシャルメディア活用におけるルール「ソーシャルメディア・ポリシー」策定や啓蒙教育など積極的な守りの仕組みづくりが専門領域です。

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