第75回NHK紅白歌合戦が幕を閉じ、SNS上では熱狂的な反響が続いています。2024年大晦日に開催された伝統的な音楽の祭典は、視聴者を魅了し、多くの感動的な瞬間を生み出しました。特に注目を集めたのは、デビュー36年にして初出場を果たしたB’zの圧巻のパフォーマンスです。「NHKMUSIC」公式YouTubeチャンネルに公開された彼らの歌唱動画は、異例の500万回再生を突破。放送から3日が経過した後も、YouTube全体の「急上昇」動画トップに君臨し続けていました。
さらに、今回の紅白は従来のテレビ視聴率だけでなく、SNSやストリーミングサービスでも大きな反響を呼んでいます。Spotifyのデイリーチャートやビルボードジャパンソングチャートにも影響を与え、出演アーティストの楽曲再生数が急増しています。
本記事では、第75回紅白歌合戦を対象に、YouTube動画の再生回数推移と、X(旧Twitter)における関連投稿の分析を行い、どのような話題拡散が発生したのかを調査いたしました。放送直後から数日間にわたり、話題はどのように変化し、どのような要素が拡散を促進したのか。藤井風さんの事例を交えながら、分析していきたいと思います。
紅白歌合戦関連動画の影響により8日間でYouTube登録者数11万人増!
NHK MUSICチャンネルのYouTube登録者数推移を確認すると、12月30日から1月7日のわずか8日間でチャンネル登録者数が約11万人増加という驚異的な数字を記録していました。この登録者数の急増は、SNSにおける積極的な情報発信、特に紅白歌合戦で披露されたアーティストのパフォーマンスや舞台裏映像のSNSでの拡散などが大きな要因として挙げられます。
SNSを席巻した紅白パフォーマンス
昨年の紅白では、B’zのサプライズ出演が大きな話題となりました。特に「LOVE PHANTOM」「ultra soul」のパフォーマンスは視聴者の目を釘付けにし、X(旧Twitter)では「まさかの選曲!」「鳥肌が立った!」といった興奮の声が多数投稿されました。個人視聴率ではB’zのパフォーマンス時間帯が最も高い視聴率22.8%を記録していたとの報告もあります。
また、米津玄師さんの朝ドラ『虎に翼』とのSPコラボもXやInstagramなど各SNSで大きな反響を呼びました。ドラマ特別版のパフォーマンスは、紅白ならではの貴重な演出として多くの視聴者を魅了しました。これらのパフォーマンス動画などがSNSで拡散され、YouTubeへの流入、そしてチャンネル登録へと繋がったと考えられます。
紅白歌合戦関連 歌唱動画 一覧
YouTube NHK MUSICチャンネルより公開されていた、紅白歌合戦関連の動画のうち、上記54本の動画が出演アーティストの歌唱動画として確認できました。短期間でこれだけの数の動画を公開するのは、NHK MUSICチャンネルの熱意と、視聴者へのサービス精神の表れと言えるでしょう。これら54本の動画を対象に再生回数を調査し、視聴者の関心を深堀りしていきたいと思います。
紅白歌合戦関連歌唱動画、驚異の4,400万再生突破!(1月7日時点)
54本の歌唱動画の総再生回数は公開された31日からわずか7日後の1月7日には、総再生回数が4,400万回再生を超えていました。なぜここまで注目を集めたのでしょうか?その要因を検証していきたいと思います。
国民的番組としての圧倒的なブランド力
紅白歌合戦は、長年にわたり日本の年末の風物詩として定着しています。家族揃って紅白を見るという習慣は、今でも一定の家庭に残っており、これが安定した視聴者層を支えています。この国民的番組としてのブランド力は、SNSやYouTube上においても健在で、関連動画への注目度を高める大きな要因となっています。
SNSとの相乗効果が生み出す爆発的な拡散力
紅白歌合戦は毎年、関連コンテンツの露出先としてSNSやYouTubeを活用しており、これが若年層へのリーチ拡大に大きく貢献しています。2024年の紅白では、B’zのサプライズ出演がSNSで大きな話題となりました。特に「ultra soul」のパフォーマンスは、「まさか紅白で聴けるとは!」「鳥肌が立った!」といった興奮の声とともに瞬く間にXなどで拡散されました。このようなSNSでの盛り上がりが、YouTubeやSpotifyなどのプラットフォームへの流入を促進し、再生回数の大幅増加に繋がったと考えられます。
話題性を高める多様な仕掛け
紅白歌合戦は、単なる歌番組にとどまらず、その年の世相を反映する鏡としての役割も担っています。2024年の紅白では、米津玄師さんの朝ドラ『虎に翼』とのSPコラボが注目を集めました。ドラマと紅白という異なるコンテンツの融合は、視聴者にとって新鮮な驚きであり、SNSでの話題性を高める要因となりました。若手アーティストの活躍も注目を集めました。特に、15歳のtuki.さんは「晩餐歌」のストリーミング累計再生回数が3億回を突破し、大きな話題を呼びました。また、Creepy Nutsさんは後半のトップバッターとして「Bling-Bang-Bang-Born」を披露し、67.1%の注目度を獲得したとの発表もありました。2024年の音楽シーンを代表する曲として高い評価を得ました。さらに、ILLITさんやME:Iさんなど、デビューしたばかりのグループも初出場を果たし、新しい風を吹き込みました。こっちのけんとの「ギリギリダンス」や、新浜レオンさんの「全てあげよう」での演出も話題を呼びましたこのように、話題性の高い企画や演出を盛り込むことで、視聴者の関心を引きつけ、SNSやYouTubeでの話題拡散を促進していたと言えるでしょう。
これらの要因が複合的に作用し、紅白歌合戦はテレビ放送だけでなく、デジタル空間でも大きな影響力を持つコンテンツとして確立しています。4,400万回再生という数字は、まさにその証左と言えるでしょう。今後も、テレビとデジタルプラットフォームの連携をさらに強化することで、より多くの視聴者を魅了していくことが期待されます。
YouTube再生数 B’zさんと米津玄師さんが圧倒!藤井風さんも驚異の追い上げ
調査対象の歌唱動画をアーティスト別に見ていくと、いくつかの傾向が読み取れます。
まず、B’zさんと米津玄師さんの動画再生回数が際立って高く、他のアーティストを大きく引き離していることが分かります。B’zさんは「ultra soul」と「LOVE PHANTOM」という往年のヒット曲を披露し、幅広い世代の視聴者から支持を集めました。特に「ultra soul」は、その圧倒的なパフォーマンスが大きな話題となり、再生回数も急増しました。米津玄師さんは、朝ドラ 虎に翼の主題歌「さよーならまたいつか!」を披露。独特の世界観と歌声で視聴者を魅了し、こちらも高い再生回数を記録しています。この2組は、紅白歌合戦における中心的な役割を果たし、大きな反響を呼んだと言えるでしょう。
また、藤井風さんの歌唱動画も注目すべき点があります。グラフを見ると、藤井風さんの動画は公開以降、着実に再生回数を伸ばしていることが分かります。
藤井風さん数日間でYouTube再生数が3.6倍に!驚異的な反響
再生回数ではなく、「増加率」に着目して見ていくと藤井風さん動画の特徴が顕著になります。上記のグラフは、1月1日を基準としたときの動画再生回数の増加率を示したものです。1月1日を起点とした再生回数の伸びをアーティスト別に見ることができます。
際立っているのは、藤井風さんの増加率です。360%以上という数値は、他のアーティストを大きく引き離しています。藤井風さんのパフォーマンスが視聴者の心に深く響き、後日改めて動画を視聴する人が多かったことや、紅白歌合戦を通じてこれまで彼の音楽に触れる機会が少なかった層にリーチできた可能性も示唆しています。
X(旧Twitter)の藤井風さん話題量推移に見る持続的な影響力の凄さ
実際に藤井風さんのパフォーマンスは多くの視聴者の心を捉え、X(旧Twitter)上でも活発な議論が交わされていました。話題の内容をXの投稿を基に見ていきたいと思います。上記グラフは、藤井風さんに関するX(旧Twitter)での話題量の推移を示しています。
2024年12月31日、紅白歌合戦当日に話題量がピークを迎えているのは当然と言えるでしょう。しかし、注目すべきはその後の推移です。通常このようなイベントでは、終了直後に話題量が急減するのが一般的ですが、藤井風さんの場合は、1月1日以降も小さなスパイクが毎日現れていることが分かります。これは、紅白歌合戦でのパフォーマンスが、放送後も継続的に人々の記憶に残り、話題提供し続けたことを示しています。1月1日以降の日毎の話題内容も見ていきたいと思います。
藤井風さん X関連投稿 抜粋
1月1日から7日にかけて、話題は以下のように変化していったと考えられます。
1月1日:舞台裏と速報、情報発信による話題喚起
元旦は、紅白歌合戦当日の興奮が冷めやらぬ中、舞台裏の情報や速報が注目を集めました。演出家自身による舞台裏のエピソード(@dutch_tokyo)や、演奏参者自身の臨場感あふれる投稿(@THEDURANNAITO)、そして大手ニュースサイトによる速報(@YahooNewsTopics)など、多角的な情報発信が相乗効果を生み、話題を大きく盛り上げました。この日は、パフォーマンスそのものへの反響に加え、その裏側にある制作過程や関係者の想いが共有されたことで、視聴者の関心をより深く惹きつけていきました。
1月2日:技術的な視点と関係者からの証言による深掘り
2日になると、パフォーマンスの技術的な側面や、関係者からの証言に主な話題の焦点が移っていったように感じます。映像技術に詳しいアカウント(@ys_kitchen)による詳細な分析は、一般の視聴者には気づきにくい部分を明らかにし、新たな視点を提供しました。また、ニューヨーク在住経験者(@hiroyuki_miyake)からの、生中継の難易度に関する言及は、パフォーマンスの価値を再認識させる効果がありました。さらに、演奏者自身(@sajinorihide)からの感謝の言葉は、舞台裏の温かさを伝え、共感を呼びました。この日は、パフォーマンスの表層的な魅力だけでなく、それを支える技術や関係者の努力にスポットライトが当たり、話題がより深掘りされたと言えるでしょう。
1月3日:メッセージ性と多くの評価による魅力の伝達
3日には、パフォーマンスに込められたメッセージ性や、専門家による評価が注目を集めました。あるファン(@mie_pharma)によるメッセージの解釈は、パフォーマンスの芸術性を高め、視聴者の内面的な共感を呼び起こしました。また、まとめサイトTogetter(@togetter_jp)による関連投稿の紹介は、さまざまな視点からパフォーマンスの価値を伝え、より多くの人にその魅力を届けました。この日は、メッセージ性と多くの評価という二つの要素が組み合わさることで、パフォーマンスの多角的な魅力が効果的に伝達されたと言えるでしょう。
1月4日以降:新規ファンの獲得と感情的な共感、公式情報の発信による持続的な関心増加
4日以降は、紅白歌合戦をきっかけに新たにファンになった層からの投稿(@Acezakosi)や、パフォーマンスがもたらした感情的な影響を綴った投稿(@n0riy0ri、@enblizzard)などが目立つようになりました。これは、紅白歌合戦が新規ファンの獲得に大きく貢献したことを示しています。また、NHK紅白歌合戦の公式アカウント(@nhk_kouhaku)による情報発信や、国際放送アーカイブの情報(@tokuriki)は、紅白歌合戦の余韻を持続させ、より多くの人にパフォーマンスに触れる機会を提供しました。この期間は、新規ファンの獲得と既存ファンのエンゲージメント維持という、長期的な視点での効果が現れたと言えるでしょう。
藤井風さん関連のXにおける話題は、舞台裏情報から技術論、メッセージ性の考察、そして新規ファンの獲得へと、段階的に変化していきました。紅白歌合戦という大きなイベントを起点に、多角的な情報発信と視聴者による共感が連鎖的に発生し、長期的な話題の拡散に繋がったと言えるでしょう。
以下、多くのリポストを集めていた投稿を日別で抜粋します。
1月1日:演出、舞台裏、演奏参加者、ニュース速報が関心を集めました。
演出家、演奏参加者、ニュース速報という異なる角度からの情報発信が、藤井風さんの紅白歌合戦における反響をさらに高めたと言えるでしょう。特に、演奏者自身からの発信は、舞台裏の臨場感を伝え、ファンとのエンゲージメントを高める効果があったと考えられます。
— 山田 健人 せ (@dutch_tokyo) January 1, 2025
#藤井風 #紅白歌合戦 Live from Brooklyn, New York #ニューヨーク🗽
Photography: Tomoyuki Kawakami pic.twitter.com/mSzUZEyAKS
— DURAN (@THEDURANNAITO) January 1, 2025
【紅白B’zの次 雰囲気変えた藤井風】https://t.co/Cq0vzjdlGg
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) January 1, 2025
1月2日:紅白歌合戦におけるパフォーマンスの技術面や舞台裏に焦点を当てたものが中心でした。
これらの投稿から、1月2日は、紅白歌合戦における藤井風さんのパフォーマンスを、技術面、舞台裏、関係者の視点から掘り下げた投稿が注目を集めたと言えるでしょう。特に、専門家や関係者からの情報発信は、パフォーマンスの多角的な魅力を伝え、話題の深化に貢献しました。
今更 紅白をアーカイブで見てます
B’zがすごいのは
一旦置いておいて藤井風の1カット移動撮影がすごすぎた件
技術的な話だと
移動の間であからさまな
カメラの露出変更が無いので
照度の完璧な計算がされていること
(だから最初の部屋のシーンが明るい)んで、基本日陰になってる場所を基準に…
— Yusuke Suzuki (鈴木 佑介)⭐️Colosoでオンライン講座開講決定! (@ys_kitchen) January 2, 2025
藤井風くん紅白生中継ニューヨークから。
あそこでドラムを叩けるとは。
信じられない体験や景色をありがとう。
感謝。今年もどうぞよろしくお願いします🙇 pic.twitter.com/dOa6rpMZEB
— 佐治宣英 (@sajinorihide) January 2, 2025
紅白の藤井風の演出はホントにすごかった。NYに住んでいたからわかるけど、あれをライブでやるのは本当に驚異的。その裏には“圧倒的な準備”と“強い独自の軸”、そして“最高のチーム”がある。個の才能だけではなく、信頼できるチームと一緒に進む力が、どんな舞台でも輝く成功を生む。 https://t.co/4JRfGO6Ps0
— 三宅裕之|Miyake Hiroyuki (@hiroyuki_miyake) January 1, 2025
1月3日:パフォーマンスのメッセージ性とそれを裏付ける技術への注目が集まりました。
あるユーザー(@mie_pharma)は、パフォーマンスを通して伝わってきた「内なる愛」というメッセージを解釈し、過去のツアーとの繋がりを指摘。藤井風さんのブレない思想が示されたと強調しました。また、Togetter(@togetter_jp)が専門家による解説記事を紹介。「映画のような映像」と評された映像技術の高さが改めて評価されました。メッセージ性と技術、両面からの評価が話題の中心だったと言えるでしょう。
自分の中の執着を手放して、
愛を外に求めるのではなく自分の中にある愛を与えて、
全てを差し出すことで自分の中の愛が「満ちてゆく」そうして満ちた愛は、生死を超えて繋がる。
紅白で見事に表現された #藤井風 のブレない考え、
USツアーでも同じこと言ってました👇— みい༄ MIE_phm (@mie_pharma) January 3, 2025
「「最初から最後まで美しい映画のような映像が生中継のワンカット」紅白歌合戦の藤井風さんのパフォーマンスについて専門家による解説」https://t.co/SUtK7aDTqE
が伸びてるみたい。みんなに届けぇ〜 作成者:@somali_bleu— Togetter(トゥギャッター) (@togetter_jp) January 3, 2025
1月4日以降:新規ファンによる楽曲への関心、パフォーマンスがもたらした感情的な影響、そしてNHKアカウントからの公式情報発信が目立ちました。
1月4日以降は、新規ファンの獲得、パフォーマンスがもたらした感情的な影響、公式情報の発信という3つの要素が中心に話題を形成していたと言えるでしょう。紅白歌合戦を機に、藤井風さんの音楽がより深く、広く浸透していく様子がうかがえます。
藤井風の古参fanにおすすめの曲を聴きたいハマるのがあまりにも遅すぎた。
— a (@Acezakosi) January 4, 2025
紅白で藤井風さんの満ちてゆくを初めた知って歌詞がいいなと書きとめていたのだけど、観ていると映像からは何とも言えない静寂も伝わってきて、やっていることは音楽なのに何だろうこれはという気持ちが生まれて、それもすごくいいなと思っている。他の曲も聴いてみたい
— のり (@n0riy0ri) January 4, 2025
「手を放す 軽くなる 満ちてゆく」紅白で良いなと思って藤井風のライブアルバム買ったんだけど、心にクリティカルヒットして涙が止まらん😭何なんこの歌詞、聖人なのか? pic.twitter.com/ZQYaSKyt1E
— 煙人|JUDGEMENT1999 (@enblizzard) January 4, 2025
⬜#藤井風/満ちてゆく
ステキなパフォーマンス
ありがとうございました✨⚡️【藤井風】本番パフォーマンスはこちらhttps://t.co/1T8fetgYfy
#NHK紅白 #紅白歌合戦 pic.twitter.com/KVBz4F1k4p— NHK紅白歌合戦 (@nhk_kouhaku) January 6, 2025
やっぱり藤井風さんの国際放送のアーカイブは一年無料で見れるっぽいですね。
アプリ入れなくても見れるのかな。NHK MUSIC SPECIAL Fujii Kaze: Climb to the World https://t.co/NiQflVgJpi
— 徳力 基彦(tokuriki) (@tokuriki) January 8, 2025
紅白歌合戦後のXにおける藤井風さん関連の話題の変遷~感動から分析、そして再感動へ
上記のワードクラウドは、1月1日から4日までのXにおける藤井風さん関連の話題で出現したキーワードを可視化したものです。この図から、話題が時間とともにどのように変化していったのかを読み取ることができます。
図の左側、つまり1月1日関心を集めたキーワードを見ると、「紅白」「藤井」「パフォーマンス」「すごい」「演出」「ニューヨーク」「チーム」「最高」といった言葉が目立ちます。これは、放送直後から、藤井風さんの紅白歌合戦でのパフォーマンス自体、特にその演出や、ニューヨークからの生中継という舞台設定、そしてそれを支えたチームへの称賛が集まっていたことを示しています。特に「すごい」「最高」といった言葉は、視聴者の興奮や感動を直接的に表しており、パフォーマンスが非常に高く評価されていたことが分かります。
一方、図の右側、つまり1月4日に話題になったキーワードを見ると、「アーカイブ」「最初」「日陰」「変更」「明るい」といった、より技術的な用語が見られます。これは、当初はパフォーマンス全体の印象や感動が語られていたのが、徐々にカメラワークや照明、ロケ地といった具体的な演出要素に話題が移行していったことを示しています。特に「日陰」「明るい」「変更」といった言葉は、撮影時の光の調整や、場面転換における技術的な工夫に注目が集まっていたことを示唆しています。このことから、紅白歌合戦における藤井風さん関連のXでの話題は、以下のような流れで拡散していったと考えられます。
- 放送直後(1月1日): パフォーマンス全体への感動や興奮、演出や舞台設定への称賛が中心。
- 放送後数日(1月2日~4日): 演出の具体的な要素、特に撮影技術や舞台裏の努力に焦点が移行。専門家や関係者からの情報発信も話題を深める要因に。
このように、当初は感情的な反応が中心だった話題が、徐々に分析的な視点へと変化していったことは、藤井風さんのパフォーマンスが、単なる一過性の話題ではなく、多角的な視点から評価されるべきものであったことを示しています。
続いて、1月4日から7日までのXにおける藤井風さん関連の話題内容を見ていきます。1月1日から1月4日までのワードクラウドと比較することで、話題の変化がより明確になります。
今回の図で右側、1月4日以降に関心を集めたキーワードを見ると、「本番」「ステキ」「Instagram」「動画」「ありがとう」「視聴回数」「YouTube」といった言葉が目立ちます。これは、演出や舞台裏といった周辺情報から、再びパフォーマンスそのもの、特にその素晴らしさや、公式動画の視聴、感謝の言葉といった、より直接的な反応に焦点が戻っていることを示しています。「ステキ」「ありがとう」といった言葉は、純粋な感動や感謝の気持ちを表しており、パフォーマンスが視聴者の心に深く響いたことを改めて示しています。また、「YouTube」「視聴回数」「動画」といった言葉は、公式動画やアーカイブ配信を通じて、パフォーマンスを繰り返し視聴する動きが広がっていることを示唆しています。
前回の分析で見た「演出」「ニューヨーク」「チーム」といった言葉が、今回の図では相対的に小さくなっていることからも、話題の中心が演出などの周辺情報から、パフォーマンスの本質へと回帰していることが分かります。この流れを前回の分析と合わせて考えると、紅白歌合戦における藤井風さん関連のXでの話題は、以下のような段階を経て拡散していったと言えるでしょう。
- 放送直後(1月1日): パフォーマンス全体への感動と興奮、演出や舞台設定への称賛。
- 放送後数日(1月2日~4日): 演出の具体的な要素、特に撮影技術や舞台裏の努力に焦点が移行。
- その後(1月4日~7日): 再びパフォーマンス本質への関心が高まり、視聴後の感動や感謝、公式動画の視聴などが中心に。
このように、話題は「感動→分析→再感動」というサイクルを描いていると言えます。これは、藤井風さんのパフォーマンスが、単なる視覚的なエンターテイメントに留まらず、視聴者の心に深く訴えかける力を持っていたことを示唆しています。紅白歌合戦をきっかけに、藤井風さんの音楽とパフォーマンスは、多角的な角度から評価され、その影響力をさらに強固なものにしたと言えるでしょう。
まとめ
第75回紅白歌合戦関連動画は、YouTubeで4400万回再生を突破。国民的番組としての圧倒的なブランド力に加え、SNSとの相乗効果、話題性を高める多様な仕掛けなどが要因です。特に、藤井風さんのパフォーマンスは、X(旧Twitter)で大きな話題を呼びました。放送直後は、ニューヨークからの生中継という舞台設定や演出への称賛が中心でしたが、その後、映像技術や舞台裏の努力といった技術的な分析、パフォーマンスに込められたメッセージ性の考察へと深掘りされ、新規ファンの獲得や感情的な共感へと繋がりました。ワードクラウド分析からは、「感動→分析→再感動」という話題のサイクルが明らかになり、藤井風さんのパフォーマンスが多角的に評価されたことが示されました。このような現象は、紅白歌合戦のような国民的イベントならではのものであり、他ではなかなか見られません。紅白歌合戦は、テレビ放送とデジタルプラットフォームとの連携を強め、藤井風さんは今回の紅白出演を通じてその影響力をさらに強固なものにしたと言えるでしょう。来年の紅白歌合戦でも、今回のような大きな盛り上がり、そして新たなスターの誕生が期待されます。
本データは、弊社の調査ツール「InTheLooop」によって集計および分析されたものです。「InTheLooop」は、SNS運用データの収集からインサイトの抽出までを一括で行えるツールで、効率的かつ正確な分析を実現します。
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