Looops岡村(健)です。月刊総務という雑誌でソーシャルメディアをテーマで毎月コラムを書かせていただいているのですが先日、モバイルファクトリーさんを取材中に人事制度で何か面白い仕組みってないですか?という話をしているとモバイルファクトリー広報担当下村友香さん(元キャビンアテンダントという異色の経歴)から「うちも参加しているシェア研修というのがあるんですが」という話を聞き、説明を聞いてみるとすごく楽しそうな取組みだと感じていたところ、4月に今年のシェア研修が始まりましたという連絡を頂き早速取材に行ってきました。
お話はシェア研修校長のアイティメディア人事担当浦野さん(元ソフトバンク人事部所属)に伺いました。
シェア研修とは
- もともとはアイティメディアとオールアバウトが共同で新人研修を行っていたのが由来。
- 昨年5社20名(アイティメディア、オールアバウト、ガイアックス、マイネット、モバイルファクトリー)で第一期を実施。
- 今年は7社40名(アイティメディア、オールアバウト、ガイアックス、マイネット、モバイルファクトリー、イノベーション、みんなのウエディング)
- プロジェクトは1年間。一ヶ月の共同研修期間を設け、その後は一ヶ月に一度実施。
- 会場は各社の会議室を持ち回りで利用。
- 講師も外部からではなく各社の社員が講師になる。(この日はモバイルファクトリー下村さんがマナー研修を行っていらっしゃいました)。
- 目的はオープン化、多様化する時代に対応した人材の育成。
シェア研修が始まったきっかけ
- それぞれの会社の人事部で何かをやりたいと感じていた。
- 今までの新人研修だと、自社に閉じた価値観に終始してしまい、新入社員の目線の高さが自社最適化されてしまう恐れがある。
- 時代は変わっており、ソーシャルを使って外部の人たちとコミュニケーションを取り、容易に外部の情報を聞くことが出来る(社外の人たちとコミュニケーションしている量が昔とは違う)。
- 新入社員はソーシャルを当たり前のように使っているのに人事担当者はソーシャルをまったく使っていないなどオープン化に対しての意識の乖離が起こり、人事担当者の意識も変える必要があるのではないかと感じていた。
会社にとってのメリット
- 費用負担が少ない(各社で講師を出すため、基本的には社内リソースのみ)。
- 各社の人事担当者が協力することで一人で作業、悩みを抱え込むことがなくなる(各社の人事担当者が集まって一つのチームに)。
- 他企業の人事のやり方を見ることができ、自らが講師になることで人事担当者のスキルアップにつながる。
新入社員にとってのメリット
- 社外に同期ができる(仮想同期と呼ばれている。ベンチャーや中小企業だと同期の人数が少なく同期のつながりが薄くなりがちである)。
- 自社の人事担当者の話を聞くだけではなく、他社の人事担当者の話(文化や人の育て方)に触れることができ多様性を持つことができる。
- (ベンチャー、中小企業の場合)1社少人数で行うよりも競争意識、緊張感を持つことができ、大人数になることで楽しくできる。
今後の課題
- 新人だけではなく、若手社員の会を開いてもいいのかもしれない。
- 数十人くらいの単位がいちばん良いと思うのでそれくらいの単位ごとにシェア研修をするのがいいかも。
- オープンな考え方(他の企業と一緒にするため、自社の悪いところ、他社の良いところが見えてしまう)ができる企業でないと難しい。
- 現状はWEB系の会社であるため開発研修など共通化できる部分が多いため、研修もしやすいがそれ以外の業界では難しいかも(と言っても同業種だけで集まるのはただの集合研修になってしまうかも)。
- 単に効率化というだけでなく目的(オープン化、多様化する時代に対応した人材の育成)を明確化し、共有化できる企業と行わないとただの集合研修になってしまう。
懇親会前の集合写真。みなさんにぎやかで楽しそうに研修を受けていたのが印象的でした。
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ひとこと(Looops岡村健)
同期のつながりって本当にずっと続きますもんね。でも少人数の新人しかない場合は途中で退社したりすると1,2名しか同期がいない状態にもなりがちです。このシェア研修の仕組みだと退社しても仮想同期のつながりはずっと続いて行くんだろうなあと思います。新卒からほぼ一人で仕事をしてきた私にとっては本当にうらやましい仕組みです。また、ベンチャーは別ですが人事や総務の方はソーシャルメディアを使われていない方がまだ多いと思いますが、今の新入社員はほぼ100%がmixiやFacebook、Twitterを使っています(もちろん新入社員だけでなく2,30代の若手社員も)。このような新入社員、若手社員さんたちの気持ちを知るためにもオープンな考え方が必要とされてきているのかもしれません。 |
仮想同期って面白い