全世界でのビジネス利用が2500万社を超えたInstagram。7月に1500万社突破の発表を行って以降、半年足らずで1,000万社が増加したことになり、ますます企業のIntagram活用が活発になってきている。
今回、in the looopでこれまでお届けしてきたInstagramの企業アカウント調査記事を、2017年版としてまとめた。2017年のデータを集計し、データ取得期間末日時点のフォロワー数別に、平均いいね!率によるランキングを作成した(フォロワー数10,000〜49,999、50,000〜99,999、100,000〜)。
本調査にはInstagram分析ツール「Aista」を利用し、いいね!率ランキングを、フォロワー数規模別に作成した。さらに、各ランキングの中でいくつかアカウントをピックアップし、運用や投稿の特徴を整理、解説する。
Instagram いいね!率 調査方法
・データ提供元について
Instagram分析ツール「Aista」登録アカウント
・データ取得期間
2017年1月1日〜12月20日
・いいね!率の定義
投稿のいいね!数÷投稿時のフォロワー数
・ランキングの用語解説
-カテゴリ:Aista内で振り分けられた分類
-平均いいね!率:期間中の1投稿あたりの平均いいね!率
-フォロワー数:期間最終日のフォロワー数
-平均投稿数/日:期間中の1日あたりの平均投稿数
-平均ハッシュタグ数:期間中の1投稿あたりの平均ハッシュタグ数
フォロワー数10,000〜49,999の企業アカウント
いいね!率ランキングトップ10
平均いいね!率 40.30%
平均投稿数 0.3
平均ハッシュタグ数 7.4
Instagramと相性が良いテレビや映画関連のアカウントが並ぶが、最も平均いいね!率が高かったアカウントは、MINI Japanだ。フォロワー数が1,000人に満たない時期の投稿の平均いいね!率が非常に高く、通算の平均いいね!率を引き上げた形になる。
その他のアカウントでは、一週間フレンズ。や花にけだもの、帝一の國など人気映画やドラマ関連のアカウントが続いている。テレビカテゴリが非常に多いが、その中でテレビ朝日フィギュアスケートはドラマではなく、フィギュアスポーツ中継関連のアカウントである。
ピックアップアカウント
MINI Japan(1位:平均いいね!率70.66%)
6月まではフォロワー数は1,000人に満たなかったが、6月にフォロワー数が急増し、12月20日時点で18,558人まで増加した。
「日本の伝統色をテーマにライフスタイルを提案する」という運用コンセプトで、「浅葱色」など毎月テーマを決めて統一感ある投稿を行っている。
決まったテーマカラーのもと、統一感ある投稿を行っている。
(引用:@mini_japan)
テーマである「日本の伝統色」に沿った、色鮮やかでシャープで、異彩を放つ画像を用いている。ハッシュタグは車名やテーマカラーに加え、「#SUMMER」「#VACATION」など投稿のシチュエーションに関連するハッシュタグを4〜5個利用している。
フォロワー数50,000〜99,999の企業アカウント
いいね!率ランキングトップ10
平均いいね!率 17.34%
平均投稿数 0.5
平均ハッシュタグ数 6.0
ミックス、銀魂の上位2アカウントはいずれも映画作品のアカウントで、フォロワー数50,000〜99,999の中で平均いいね!率が20%を超えた。銀魂は以前調査記事で紹介したように、映画公開まではプロモーション動画中心の投稿、公開後はオフショット中心の投稿と、時期により運用を変えていた。ミックスについては後述する。
その他では、トドメの接吻やドクターX〜外科医・大門未知子〜、愛してたって、秘密はある。などドラマ関連のアカウントが多い。Seventeenや居酒屋えぐざいるPARKとドラマ以外のカテゴリもみられるが、いずれも人気モデルやアーティストのオフショット投稿が中心で、人気の高さが平均いいね!率の高さに表れていると考えられる。
ピックアップアカウント
映画『ミックス。』(1位:平均いいね!率20.32%)
10月21日公開の、卓球を題材にした映画アカウント。2017年2月のアカウント開設以降、徐々にフォロワーが増加。投稿頻度が高くなった8月から映画公開の10月にかけてフォロワーの増加スピードが上がり、12月20日時点で55,176人となっている。
映画公開までの期間は、オフショットや映画のワンシーンを紹介した投稿、公開までのカウントダウン投稿が多い。「#卓キュン」などオリジナルのハッシュタグを用いたり、早送りのgif画像で映画のワンシーンを紹介したりなど、ちょっとした工夫でファンを楽しませている。
また、出演者が実際の卓球大会に出場するまでの奮闘記を「#佐野クエスト」として投稿。InstagramだけでなくTwitterなど他のチャネルでも展開していた。
映画公開後は、「大ヒット上映中」と告知するオフショット投稿や、他の番組や雑誌への出演・掲載情報を投稿し、映画を盛り上げていた。
フォロワー数100,000〜の企業アカウント
いいね!率ランキングトップ10
平均いいね!率 19.52%
平均投稿数 0.4
平均ハッシュタグ数 9.3
陸王をはじめ、人気ドラマのアカウントがランクイン。フォロワー規模に関わらず、平均エンゲージメント率が20%を超えているアカウントが多い。僕たちがやりました、過保護のカホコなどは放送開始前、放送期間中、放送終了後で投稿に特徴がみられ、丁寧に運用されていた。具体的な運用の内容は、こちらの記事にまとめた。
ドラマや映画アカウントが多くランクインする中で、大きな話題となった新しい地図がランクイン。9月開設のアカウントにも関わらず、開設以降フォロワー数が急増し、平均エンゲージメント率上位10アカウントの中ではフォロワー数が430,197人と圧倒的に多い。
ピックアップアカウント
TBS「陸王」(3位:平均いいね!率22.34%)
10〜12月に放送されたドラマで、アカウントの開設は9月。放送開始に合わせフォロワー数が増加していき、12月に10万人を突破した。
放送開始前の時期は、オフショット投稿や撮影風景が多く、ドラマのワンシーンの紹介やCM動画などは投稿されていない。
放送開始後も、放送時間までのカウントダウン投稿を含めオフショットが中心の運用となっているが、動画投稿が増加。物語で登場するチームメンバーで見どころを紹介したり、ライバルによる対抗動画があったりと、物語の雰囲気とはまた違い、仲の良さが伝わる動画でファンを楽しませている。
本作は大掛かりな撮影ロケやエキストラの多さが話題になっていたが、Instagramの投稿でもうまく活用。迫力ある放送告知を投稿している。エキストラ募集や撮影ロケ中止などもInstagramで投稿する、など非常にユニークな運用である。
また、陸王ではInstagram Storiesも積極的に活用。撮影風景や放送までのカウントダウン投稿、放送のキーポイントなどを紹介している他、エキストラの募集も行っていた。
(引用:@rikuoh.tbs)
アカウントプランナー紹介:若月 翼(わかつき つばさ)
1990年山梨県生まれ。早稲田大学スポーツ科学部を卒業後、インターン期間を経てループスにジョイン。在学中はスポーツ政策の学生学会の運営やアスリートの震災復興支援活動のサポートなどを行う。現在は企業のソーシャルメディア活用支援などに従事。最近の興味関心はスポーツ×VR。@tsubasa_waka